㊙ 未知ワールドへ、ようこそ! 第2話 ㊙ ビーナスの森
4話 再び踏み出す
木々の合間をサラサラと流れる小川へと到着。そこで早速の小休止。涼風が川面を渡って来る。
ホモ・サピエンスの三人がフーと一息入れてると、「ビーナスの森はこの川沿いに5kmほど上がった所にあると内蔵コンピューターが示唆しよります、拙者の最大のミッションはお美しい奈那様と出来の悪い野郎2匹をそこへと道案内することです、さっ、出発致しましょ」とツユスケがいつの間にかリーダーに昇格したもよう。
脳天カチ割ったろかと思いましたが、まあこんな所で見捨てられて髑髏(どくろ)になってもちょっと困りますので、「レッツラゴー!」と皆に声を掛けました。
それからの道中、約5kmでしたが、小川に沿って大きな岩や倒木に阻まれたり、川から離れると下草で覆われ、前へ進むことは大変困難でした。
それでもツユスケの頭部ドローンが大活躍をしてくれまして、少しでもイージーゴーイングな道程へと導いてくれました。
「ツユスケ、お前結構いい奴じゃん」と褒めてやると、「すべては奈那お姉様のため、お前ら初老オヤジのためじゃないぞ、だけどチップははずめよ」と。
ネアンデルタール人の1千年先を行く技術で作られた最新型ロボット、まあよくぞここまでひねくれ、捻れたものだと再認識致しました。
されどもヤッチンも私ももう慣れてきたのか、「そうだな、この世というか、宇宙で一番優秀なロボットはツユスケ、お前だ!」と強烈な褒め殺しを一発。そして500円玉1個握らせてやりましたよ。
すると「メッチャアンガトー!」と満面の笑み。ホント単純なヤツだと再度確認をさせてもらった次第であります。
作品名:㊙ 未知ワールドへ、ようこそ! 第2話 ㊙ ビーナスの森 作家名:鮎風 遊