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㊙ 未知ワールドへ、ようこそ! 第2話 ㊙ ビーナスの森

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7話 第二の故郷


 大金星山(だいきんぼしやま)の裾野に広がる樹海、ここはその中に直径約1kmの広さを持つ地球において大変異質な森です。ビーナスの森のビーナス、それは「Venus」、つまり金星のことです。
 そして私がこの森の管理人でして、名前はキンカンガル・デンガナと名乗る金星人であります。以後よろしくお願いします。
 1週間前に訪ねられた根暗出る樽渓谷の1CHOSASU星人とネアンデルタール人の皆さまとは懇意にさせてもらってます。これからはホモ・サピエンスの皆さまと仲良くさせて頂ければ幸いです。
 それでは皆さまの疑問を解くために、ここからは質問タイムとさせてもらいます。理解が今一つ進まない点があればご遠慮なく仰ってください。
 さあ、どうぞ!

 この流れに私たち一同は「ホッホー、それは有り難い」と目をパチクリ。それと同時に「一体ここは、何?」と疑問がフツフツと。それに間髪入れず奈那さんが「キンカンガル・デンガナさん、質問!」と手を上げました。
 これに直ぐさま「はい、どうぞ」との返しがあり、奈那さんは訊かれたのです。
「質問1です、『ビーナスの森』は地球では大変異質と仰られましたね、どう異質なんですか?」と。
 さすが我が社長様、鋭い。これにキンカンガル・デンガナは背筋を伸ばし、「謹んでお答え致しましょう」と。
 その内容とは――。
 我が星の金星、その赤道半径は6052キロメートル、これは地球の0.95倍。また質量は地球の0.815倍、これにより表面引力は地球の0.91倍です。
 一方この『ビーナスの森』は地球の地核に向かって、地球誕生時に多くの気泡が生じ、多くの空洞が出来たのでしょう、他に比べスカスカなのです。要は地核に向かってカステラ状態です。
 よってこの地の質量は地球でありながら0.8倍以下。これにより『ビーナスの森』の引力は金星と同じ地球の通常状態の0.9倍しかありません。つまり100kgの体重の人がここに来れば約90kgです。
 要するに『ビーナスの森』は金星にあるのと同じということでして、私たち金星人にとっては非常に心地よく慣れ親しめる森なのです。
 金星では、私たちは地下ワールドで暮らしていますが、この森は地球に見つけた第二の故郷と言えるでしょう。