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無限の数学

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 ということになるのかも知れない。
 もちろん、
「犯人が坂下だ」
 というのは、あまりにも無理のある強引な発想であり、だからと言って、すべてを否定もできないが、余計に、肯定することもできない。
 だから、
「一周まわる」
 ということになるのであった。
 一周まわることによって、攻城戦のように、
「追いかける方の視線が狭くなっている」
 ということで、見えている世界が狭まっていたことで、まわりが自分を変に意識するということに気づかなかったというのは、
「坂下の落ち度」
 であろう。
 しかし、坂下は、これらのような、
「曜日ごとに違う犯罪」
 というものが、この街に起こっているということを分かっていた。
 分かっていたが、それがなぜなのかということは、きっと、
「一周まわるからだろう」
 と思えたのだ。
 坂下には、恐怖症としての、3つのものが、
「三つ巴」
 のように思えていた。
最初は、
「三すくみではないか?」
 と考えていたが、
 三すくみということになると、
「その間には抑止力というものがあり、それは、動いたものが絶対に生き残れない」
 という法則があることから言えるものだと考えていた。
 その三すくみの抑止力は、あくまでも、
「一周回る」
 ということであり、
「回ってしまうことで、表裏が分からなくなるのではないか?」
 と考えるようになっていた。
「一つの輪をグルっと巻いたところに、鉛筆で線を引くと、絶対に交わることのない線が、なぜか交わってしまう」
 というのが、
「異次元の世界」
 というものを証明するかのような構図で、それを、
「メビウスの輪」
 というのだという。
 これは、
「交わることのない線」
 というものが交わることであり、
「平行線」
 というものを否定するというになるであろう。
 数学の世界では、
「考えにくい考えをいかに照明するか?」
 ということが言われている。
 というのも、
「合わせ鏡」
 などのような、
「限りなくゼロに近いもの」
 というものの存在であった。
 そこには、
「限界と無限」
 という考えがあり、
「限りなくゼロに近いもの」
 というものの存在が、
「無限」
 というものの存在への証明ということになる。
 といえるであろう。
 だから、
「限りなくゼロに近い」
 というものの存在が、無限であるとすれば、
「交わることのない平行線」
 というものも、
「無限というものの存在を証明している」
 ということになるのであろう。
 それを考えると、
「一周回って考えた時、果たしてそこに存在するのは、一週前に回る前のものなのであろうか?」
 ということである。
 つまり、メビウスの輪というものが、
「一周回ると、同じところに戻ってくる」
 ということでの、異次元の証明であるとすれば、考え方が妥当なのは、
「メビウスの輪」
 というものであり、その輪の証明が、今度は、
「無限というものが本当に証明されることなのであろうか?」
 ということになり、それこそ、
「一周回ることが証明される」
 ということになるのであろうか?
 そう考えると、
「曜日ごとに違った犯罪」
 ということで、
「犯人が、皆違っている」
 という考え自体が、そもそも。証明という意味で辻褄の合わぬものであり、逆に、
「犯人は一人だ」
 という方が、数学的な証明としての理にかなっているといえるのではないだろうか?
 そんなことを考えていると。
「世の中において、すべての理屈は、輪というものではないか?」
 と考えるようになった。
 その時に感じたこととして、
「タマゴが先か、ニワトリが先か?」
 という理論こそが、
「一周回る犯罪であり、犯罪は形作られるというのも、それは、犯人によって計画されたものではなく、社会の理論というものが、一人の人間を動かす」
 ということになるのではないだろうか?
 この事件の犯人は、坂下ではない。
 しかし、犯人が誰かということを知っていて、一番犯人に近いというのは、この、
「坂下ではないか?」
 といえるのかもしれない。
「曜日ごとに犯罪が違う」
 それこそ、
「一週まわる」
 という発想ということで、
「週と周」
 ということで、同じところからきているのではないだろうか?
「三すくみと三つ巴」
 さらには、
「生きがいを求めて生きていく」
 という発想が、
「二つの間と、三つの間において、まるで、無限というものをいかに考えるか?」
 ということに繋がっていくのであった。
 それこそが、
「無限の数学」
 というものであろう。

                 (  完  )
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作品名:無限の数学 作家名:森本晃次