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無限の数学

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 という形で作られ、換気も法律に則った形で作られたものでなければ許可が下りないというところであれば、吸ってもいいという形であった。
 それでも、タバコが禁止されていないところとしては、パチンコ屋であったり、喫茶店などの、ランチタイム以外などと、コンビニの表の駐車場などに設置された灰皿のまわりくらいでしかなかった。
 ということであるが、途中から、
「受動喫煙禁止法」
 というものができて、
「室内では禁止」
 と、おおざっぱにいえばそういう法律ができたので。
「パチンコ屋の台の前では吸ってはいけない」
 ということが、実施されるようになった。
 これが、パチンコ屋への客の足を遠ざける原因の一つとなった。
「このタバコの問題は、ある意味、一番パチンコ業界では大きな問題なのかも知れない」
 とも言われているのであった。
 それだけ、客が極端に減ったといってもいいだろう。
 そう坂下という男は、パチンコが好きだった。
 しかし、それは、
「どんな台でもいいから、勝てばいい」
 ということではなかったのだ。
 確かに、パチンコで勝てればそれに越したことはないだろう。何といっても、軍資金を持っていくのだから、どうせなら勝ちたい。お金が戻ってくるのだから、そう思うのは当たり前のことである。
 だから、投資の気持ちで玉やコインを買うのであった。
 しかし、彼の場合は、目的はそこではなく、
「機種が好きで面白いからやっている」
 という、ある意味、
「パチンコの元々の楽しみを満喫している」
 といってもいいだろう。
「そして、その機種が、自分の想像しているような動きをしてくれることを喜ぶ」
 というもので、
「スロットなどにおいて、設定が分からなくとも、その挙動が、最高設定に近い形で推移してくれれば、たとえ勝てなかったとしても、後悔はない。もちろん、うれしいという気持ちが半減はするが、それでもいい」
 というのと同じである。
 普通の人は、
「勝ちたい」
 という思いがあるから、そのために、いろいろ機種の攻略法であったり、台の動向などを研究することで、自分なりの作戦を立てて、パチンコ屋に挑むということになるだろう。
 そういう意味でも、
「最初に自分が考えていた通りに台が動いてくれなかった場合」
 ということも考えている。
「いつ、その台に見切りをつけて、他の台に移動するか?」
 ということで、いわゆる、
「辞め時」
 というものである。
 そして、他の台に移る時も、
「そんなにたくさんの作戦を考えているわけではない」
 ということで、そこから先は、今までの勘と経験から、
「いかなる作戦を立てていくか」
 ということで、いわゆる、
「立ち回り」
 ということになるのだ。
「立ち回りこそ、パチンコの醍醐味」
 という人もいることだろう。
 パチンコというものを、いかに楽しむかということであるが、この立ち回りで一番大切な、
「辞め時」
 つまりは、
「見切りをつける」
 ということになるのだろうが、坂下の場合は、そこは関係なのだった。
 何といっても、
「好きな台があり、その台しかしない」
 というからである。
 実際に、そんなに人気がある台というわけではないので、その台は、
「たくさんの人が座るわけではない」
 ということで、そのホールには、バラエティコーナーに1台しかないということであった。
 一度、フラッと店によって、その台を打ちたいと思って席までいくと、他の人が打っていた。
 最初は、しょうがないということで、他の台に座って、軽く打っていたのだが、そのうちに、イライラが募ってきたのだった。
 というのは、
「打ちたい台を他の人がやっていて、自分は打ちたくもない台を打っている」
 ということにいらだちが募るのだった。
 もし、その台でたくさん出たとしても、うれしくはない。
 と感じた。
 好きな台を気にしながら打つのだから、楽しいはずがない。いくらたくさん出たとしても、それは満足ではないということだ。
 それを感じた時、初めて、
「俺は、好きな台があるから打っているんだ」
 ということに気が付いたのだ。
 そしてパチンコをする大義名分は、
「好きな台があって、それをするため」
 ということに気づくと、それ以降は、朝一番で並び、その台をキープするということである。
 そうでもしないと、
「最初に来た人がもし自分が打ちたい台に座ったら、その時の後悔は、しばらく尾を引いてしまう」
 ということが分かっていたからだ。
 だから、何があっても、一番でその席に座ることにする。
 勝ち負けはこの際関係ない。
 なぜかというと、
「立ち回りができない」
 ということだからだ。
 何といっても、
「好きな機種だけを打ちにいくわけで、その台はこの店には1台しかない」
 ということになると、いくら負けていても、他の台にいくことはありえないのだから、そもそも、
「立ち回りというのはあり得ない」
 ということであった。
 それを考えると、
「辞める場合は、帰るしかない」
 ということで、ある意味、
「潔い」
 といってもいいだろう。
 だから、そのまま帰るかどうかは、その日の財布と相談する形で、坂下の場合は、そういう意味でも、
「決して無理はしない」
 というのは、坂下が打っている台というのは、
「比較的荒い台」
 と言われている。
「負ける時は徹底的に負けるが、爆発すれば、ハンパではない」
 と言われている。
 だから、固定ファンは多いのだろうが、実際に、パチンコ人口からすれば、思い切り少数がであった。
「ファンは少なく、一定数の固定ファンしかいない」
 というわけであるが、それだけに、
「打ち始めると止まらない」
 という客が多いので、その分、楽しめるといってもいいだろう。
 パチンコやスロットというのは、
「立ち回りを楽しむ人」
 それから、
「一つの機種にのめりこむ」
 という人の二つに分かれることであろう。
「負けない」
 という意味では、
「立ち回りのうまい人が圧倒的に多い」
 といってもいい。
 だから、ライターや攻略本というのは、
「勝つパチンコ」
 というのも、大切だが、それ以上に、
「負けないということが大切だ」
 ということも教えてくれていることだろう。
 一つ台に特化するわけではないのであれば、やはり勝ち負けに特化するということになる。それが、
「パチスロの醍醐味だ」
 といってもいいだろう。

                 ルーティン

 プログラマから、システムエンジニアというのは、普通であれば
「当然の経路」
 であり、役職というものもついてきて、そこから、昔でいえば、
「出世」
 ということになるのであろう。
 しかし、今の時代はそういうこともない。
 しかも、
「システム系の仕事」
 というと、結構転職する人も多く、想像しているよりも、結構大変な仕事だということになるだろう。
 だから、プログラマの間から、他の会社に移ってみたり、
「他の会社でも、システム関係以外の仕事に就く」
 という人も少なくはない。
 しかし、そもそも、システム関係者というと、一部の例外を除いては、
作品名:無限の数学 作家名:森本晃次