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三角形の関係

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「俺がまさか死体を発見することになるなんて」
 ということであった、
「政治家の参謀だ」
 ということを第一発見者は知っているのだが、第一発見者は、
「その人が、政治家の参謀だ」
 ということを
「ほとんどの人は知らない」
 ということを分かっていた。
 その時、第一発見者の男は、
「別の方向から、俺のことを見ている人がいて、その男の思惑が働くことで、自分が第一発見者に仕立て上げられた」
 と思うのだった。
 その、
「もう一人の存在」
 というものが、
「自分と、被害者の間の関係」
 というものの間に、存在しているものなのか、
 それとも、
「別の人間の存在が、どの位置にいるか?」
 ということの存在において、
「ここでも、三角形というものを形成しているのではないか?」
 と考えられるのであった。
 この三角形の関係というのは、
「臆病な存在」
 を自分の中に感じると、
「自分が何に怯えているのかということを考えると、
「三すくみと、三つ巴の関係」
 というものを、
「それぞれに考えてしまう自分がいる」
 ということを考えるのであった。
 そして、この町において、この男が殺されるということは、
「自分と、参謀と、政治家の間で、何らかの、三角形の関係が存在しているのかも知れない」
 と感じるのであった。
「何かというと、どこかに存在している関係」
 それが、すべて、
「三角形ではないか?」
 と思うようになると、
「今度何かを考える時、三角形以外の何物も考えられないのではないか?」
 と考えるのであった。
「参謀が殺されたことで、何かの一角が壊れた」
 それが、バブルの崩壊に近い、何かを予感させるものなのかも知れない。

                 (  完  )

 






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作品名:三角形の関係 作家名:森本晃次