照る日曇る日
その4
私は時々手紙を書いたけど、返事をくれたことは一度もなく、ときどき立ち寄るぐらいだった。
スポーツでもてはやされ、院長の用心棒的な存在だった彼、病気を患って希望の大学にも行けなかった自分。
体力と言い、立場と言い、大いなる差があった。
スポーツで全国的に名をはせ、地元の出身高校にも名誉を残した彼がそうそうわがやの養子になることはありえないのに、母はそう言うことも考えず事を運ぼうとしていた。そのことが自分の娘を疵つけるとは考えなかったのだろうか。
彼と出会わなければいつまでも私の心に哀しみが住みつくこともなく、その後の学生生活を楽しめただろうに。
つづく