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照る日曇る日

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その3


精神病院で実習中の昼休みに院の中庭をぶらついていたら、或る若者が窓から顔を出して、映画に行かないかと声を掛けてきた。
私にとっては初めての人だったが、先方は母との繋がりがあり親近感を持っていた。
後で聞いたところによると、母が婿養子に来て欲しいと手紙を出していたらしい。実習が終ってからもその若者は時々わがやへ来たが、院の車を待たせていたのですぐ帰って行った。
母は自分の思うつぼに入っているその状況に満足してか、彼が来ているときは機嫌が良かった。


作品名:照る日曇る日 作家名:笹峰霧子