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照る日曇る日

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離れて行った人たち その1 小母ちゃん


私から離れて行った人は数えきれないほど居る。
幼い時私を大事にしてくれた人の中には記憶がない人もいて、母からその話をきくのみだった。可愛がってくれたと聞いた。

おぼろげに覚えている近所の小母ちゃんは、母が短期間開業していた別府鉄輪の医院まで私を連れて行ってくれた。小母ちゃんはたったひとり母の味方で、近所の百姓の嫁と義理の叔母二人がこそこそ母の悪口を言ってた中で、小母ちゃんだけは親身になってくれた。

義理の叔母の葬式をしたとき、私は若い身空で来客用の料理を作った。小母ちゃんが手伝ってくれて、もう一品作ったらと言ったが、私が胡瓜の酢の物を準備していたのを知ると納得した。

どういう状態で小母ちゃんが亡くなったのか覚えていないが、そのことをとても残念に思う。




作品名:照る日曇る日 作家名:笹峰霧子