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輪廻対称

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「どこかの、樹海のように見える大きな森の奥に広がっている、湖畔の先に、サナトリウムを思わせる建造物がある」
 と言われている。
 その建物は、あくまでも、
「昔のままの作り」
 ということで、
「もし使われているとしても、その使用方法は、薬物か何かの研究室使われるのではないだろうか?」
 と思われていた。
 確かに、ある企業の研究室が、
「サナトリウムを再利用している」
 と聞いたことがあるが、それはあくまでも、
「表に出る薬品」
 というわけではなく、ひそかに、いかにも、国家機密に近いくらいのものを開発している場合が多いのだ。
 だから、大学からの予算は出ない。その変わり、国家の暗躍しているグループが金を工面するのだ。
 そこは、秘密の諜報機関というものを、どこかの組織が持っていて。それを利用して、研究を続けているということであった。
 それを考えると、
 サナトリウムを利用するのは薬品開発の中でも、
「表に出せないもの」
 というか、世間に公開するまでは、
「研究していることすら、秘密にする」
 というもので、まるで、大東亜戦争時代の、
「731部隊」
 を思い起こす人もいるだろう。
「ドイツのホロコーストも真っ青」
 といってもいいだろう。
 この舞台は、主に、
「細菌兵器」
 あるいは、人体の限界に挑戦するという実験を行っていたのだ。
 そんなことがもし、公表されてしまうと。
「ドイツのホロコース並みのものでは済まない」
 というほどに、人道的に非難されることになるであろう。
 だから、敗戦の時に、陸軍は、この部隊の徹底的な隠滅を図った。捕虜も。一人残らず殺害し。生き証人を作ってはいけなかったのだ。
 しかし、彼らは誰一人として裁かれていない。多分、そのことについては、
「知られていない」
 いや、
「知ってはいけない秘密」
 というものが、蠢いているに違いない。
 サナトリウムの利用法として、そんな、
「現代における731部隊だ」
 といってもいいかも知れない。
 某国との共同研究なのだろうが、
「日本でやっているのだから、いざとなったら、すべてを日本に擦り付けて、さっさと後始末をすればいい」
 と思っているのかも知れない。
 それらの研究というのは、ハッキリと決まっているわけではなく、最近では、社会問題として起こっている、
「精神疾患」
 というものの研究であった。
 ただ、これは、実際には。
「精神疾患」
 というものを。いかに問題視しているか?
 ということを世間に思わせておいた隙に、その先には、
「国家のため」
 いや、
「自分たちの利益のため」
 ということのために、隠れ蓑にするには、ちょうどよかったのだ。
 そもそも、不要になったもので、
「買い取ってくれる」
 というのであれば、その使用目的などどうでもよく、
「もう、手を離れれば、別に監視することもない」
 ということで、隠密裏に利用するとすれば、そこは、
「一番、ヤバいものを隠すには、ちょうどいいところとして、
「隠れ蓑」
 としても、
「厄介払い」
 ということで、
「これ以上、怪しまれることはない」
 ということになるのだということであった。
 その研究室は、基本的に、このお話で培われてきた発想から、生まれたものであり、それらは、どこをどう通っても、
「精神疾患に通じる」
 というもので、まるで、ことわざにあった、
「全ての道はローマに通ず」
 という言葉の通りなのかも知れない。
 そう、一つの考え方として、
「長所と短所は紙一重」
 であったり、
「バカとはさみは使いよう」
 という言葉もあったりする。
 すべてにおいて、同じものはないのだが、微妙に対処法が同じだったりすれば、今回のこのお話に通じてくるものがあるのではないだろうか・
 ということは、一種の、
「輪廻してくる理論」
 というものは、そんな発想を抱くことで、最終的に、今回は、
「森に囲まれた秘密のサナトリウム」
 というところに行きついたのだが、そこが、最後の砦ということではない。
「限りなくゼロに近い」
 という発想で、
「合わせ鏡」
 などというものを思いついた。
 しかし、結局は人間の脳にも限界がある。そこで、無限に発想ができるようにと考えたのが、
「精神疾患」
 という人たちを使った。
「人間の脳の限界を無限にする」
 という発想なのだろう。
 世の中が、本当に、それで回っていくのかどうか、そもそも、話をしていただけでも、繰り返させるわけなので、すべてのものに、このような、回り続ける無限に広がる、
「きりもみ輪廻」
 といえるのではないだろうか?
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作品名:輪廻対称 作家名:森本晃次