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異次元交換殺人

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 なのか、それとも、
「三つ巴」
 なのかである。
 それぞれにけん制しあっていて、抑止力が働く関係は、それぞれに循環していて、それが、
「三すくみの関係」
 といえるだろう。
 そして、それぞれの力自体が均衡していて、お互いに手を出せないという、直接的な関係ということで、
「三つ巴の関係」
 ということになるのだろう。
 今度の事件を考えた時、桜井刑事は、
「交換殺人」
 というもをイメージしたのだ。
「お互いに、実行犯と実際の犯人がいるということで、その際に、本当の犯人には、アリバイを作るということである、
 だから、目撃者としての木下が現れるのが、遅れたのである。
「交換殺人は、それぞれに関係性があると考えさせてはいけない」
 という発想から、時間が経ってからでないといけない。
 しかも、
「お互いに同じ立場であれば、最初に事を起こした人が圧倒的に不利である」
 というのが、交換殺人のっ致命的なところであった。
「じゃあ、三すくみの形にしておけば、誰か一人が得をするということはない」
 ということになる。しかも、一人が裏切れば、二人を敵にすることになるし、自分が、結局不利になるということだ。
 だから、三すくみを利用したのだ。
「最初に動いた方が生き残れない」
 というのは、普通の三すくみであり、殺人の場合はそうではない。
「三人ともが生き残るためにやっている」
 ということなので、あくまでも、
「力関係だけの三すくみ」
 である。
 だから、この事件は、それぞれに、
「主犯、実行犯、目撃者」
 とそれぞれに役割がある。
 まるで昔に見た、
「合体もののロボットアニメを思い出す」
 ということであった。
 合体の順番によって、三つのロボットが、
「陸海空」
 とそれぞれに特化した変身で、それぞれの機能を発揮し、相手のロボットを粉砕するというものであった、
 それを思い出したことが、今回の事件を表に出すことができた。
 ただ、この事件が本当に、最後まで解決できるとは限らない。
 やはりそこには、
「犯人たちの、どこかボロを期待するところがある」
 こちらは、交換殺人と同じで、一つが露呈すると、すべてが分かってしまうというもので、桜井刑事はそれに期待していた。
 そう、この事件は、
「三すくみの交換殺人」
 ということで調書が掛かれ、これが、
「解決済み」
 となるか、それとも、
「未解決」
 となるかは、
「神のみぞ知る」
 ということだったのだ。

                 (  完  )
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作品名:異次元交換殺人 作家名:森本晃次