そらのわすれもの9
「誰から聞いた?」
「知春さんからです。」
「それが今日来た理由?」
「はい。」
竜也は茶葉が蒸れたのを確認すると2人分のお茶をそそぎ、テーブルを挟み、優太の右斜め前座った。
「知春とは何で風間先生の話をすることになった?」
「この間、ふたりでいる時に会いました。」
「風間先生は何を言ってた?」
「知春さん達を連れ帰りたいみたいなことを言ってました。」
「ふーん…。」
竜也は口もとに手をあてて、少し考える。
「他には何か聞いた?ふたりは、あまり接点がないはずなのにな。」
「そうなんですか?」
「知春は学校行かないからね。」
竜也は言う。
「知春や知秋は風間先生について何か話す?」
「知春さんが風間先生は新式であるとか言ってました。いや、旧式だったっけ?」
「風間先生は新式だよ。」
何とか思い出そうとする優太に竜也は話すとお茶を飲んだ。
「知秋は、風間先生について何か言う?」
「言わないです。」
「だろうね。」
お互い難しい顔をする。
「あまり風間先生からは話を聞いていないと言うことなら、私からは特に話すことはない。」
竜也は砂糖の入った瓶を優太に差し出すと付け加えた。
「人のことを裏で言うのはよくないからね。」
「ありがとうございます。」
優太は砂糖の入った瓶を受け取るとカップに砂糖を入れた。
「好き勝手いいやがるって風間先生は言っていたので意外でした。」
「それは本人がそうだからだろう?」
ため息をついて竜也は言う。
「昔から気性が荒いんだ…人に対して攻撃的というか…。」