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歴史の答え

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「自分だけの世界で完結してもいいことなのか?」
 という、いわゆる、
「歴史というものの倫理」
 とでもいえばいいのか、しかも、そこはに、
「人間だけでなく、すべての動物に言えることなのかもしれない」
 といえる。
 ひょっとすると、
「100年後は、人間が支配している世界なのかも知れないが、これが、200年後には、別の生物が支配している世界なのかも知れない」
 ともいえるだろう。
 しかも、その世界は、
「別の動物が、ただ繁殖したことで、他の生物が死滅したということで、人間もいなくなっている世界なのかも知れない」
 といえるだろう。
 あるいは、
「他の生物が知能を持ち、人間を支配するくらいの高等生物になっていて、いわゆる、生物分布というものが、まったく違っているかも知れない」
 ということだ。
 昔は、そういう映画が多かったではないか。
「未来に、人間が別の生物に支配される世界」
 ということで、それが、元々地球上にいた生物なのか、他の星からの侵略なのか分からないが、そうなると、
「その時点では答えはない」
 といってもいいかも知れない。
 あくまでも、答えを見つけるとすれば、それは、
「人間世界」
 ということになるのだ。
 地球というものを、
「人間が支配している」
 という考えも、一種のエゴである。
「別に支配しているなんて思っていない」
 というかも知れない。
 しかし、
「自分たちの都合で戦争を起こし、動物を使って戦争をしたり、動物たちを巻き込むように、無差別爆撃をするのだから、
「支配していない」
 などというのは、
「詭弁に過ぎない」
 ということになるだろう。
 そんなことを考えていると、
「どこに答えがあるのか?」
 ということを考えるのが、どこか、
「バカバカしい」
 と考えるようになったのだが、その時、どうしても頭に引っかかってしまったのが、
「10分前の女」
 という発想であった。
 その女、どちらかが、
「自分の幻ではないか?」
 と考えてしまう。
 なるみは、りなを自分だと思っているのか、それとも、りながなるみを自分だと思っているのか、そのカギを握っているのが、
「まさと」
 ではないかということであった。
 ここにも、
「見つかるはずがない」
 と思える答えを探している人がいる。
 そんなことを考えていると、
「時間が絡むことを考えている人間は、無意識に、何かの答えを探そうとしているのかも知れない」
 と考えるのであった。
 昔見た歴史映画の中で、
「歴史が必ず答えを出してくれる」
 というセリフがあり、確かに格好良かったというのは覚えているのだが、何か、とてつもない違和感があったことも覚えている。
 それを今考えると、
「歴史が答えを出してくれるというが、その答えがどこにあるというのか?」
 ということであった。
「不老不死」
 というのも同じことで、
「自分の知っている人が皆死んでしまって、それでも、生き続けなければならない」
 ということに、果たして耐えられるだろうか?
 西遊記委などでは、
「妖怪が求めているもの。それが、不老不死」
 ということであったが、違和感がないと思えるのだが、これが人間の発想であれば、
「これ以上の理不尽な発想はない」
 といってもいいのではないだろうか?
 つまりは、人間の本能として、
「寿命が来たら死ぬのだ」
 という当たり前のことを、摂理という風にとらえ、不老不死などというものは、
「まやかしでしかない」
 という発想に落ち着かせるようになるに違いない。
「この感覚がロボットに持つことのできないフレーム問題を、無意識にでも解決できるくらいの頭脳を持ったのが、人類なんだ」
 ということになるだろう。
 だから、
「不老不死」
 であったり、
「フレーム問題」
 の解決ということで考えられるロボット開発が、自然と、
「フランケンシュタイン症候群」
 というものに結びついてくるということになるというのは、
「自然の摂理」
 というものに、匹敵するものなのかも知れない。
 だから、
「答えが永遠に出ない」
 といえる歴史を、
「交わることのない平行線」
 として考えたとすれば、そこに生まれるのは、
「未来には、答えなどない」
 ということである。
 しかも、未来にいきなり飛ぶということは、結局最後には、
「現代に戻る」
 ということで、
「過去に戻る」
 という発想でもある。
 ここで一つ大切なことであるが、
「未来が、もし変わってしまったら、過去も違う」
 ということになるのではないだろうか。
「過去からの積み重ねが未来であれば、歴史が変わってしまうのであれば、過去も違う歴史ではないか?」
 といえるからだ。
 だから、
「歴史に答えなどない」
 というわけで、別の時代に行くことが歴史を変えることになるので、
「タイムスリップ」
「タイムリープ」
「タイムループ」
 すべては、
「歴史のタブー」
 ということで、
「あり得ないこと」
 という結論になるのではないだろうか?
 遠藤は、そんなことを考えながら、自分の部屋で、一人の女を待っていた。
「今日はどっちが来るんだろうな?」
 と、待っている女は、
「なるみ」
 なのか、それとも、
「りな」
 なのか?
 今は、その答えだけで、満足だったのだ。

                 (  完  )

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作品名:歴史の答え 作家名:森本晃次