悠々日和キャンピングカーの旅:⑪信州の旅
■旅の4日目:道の駅「白馬」⇒戸隠観光情報センター(長野県長野市戸隠)
【今日の走ったルート】 「白馬八方尾根スキー場」の南端にあるパラグライダースクールに立ち寄り、そこから見上げた「白馬ジャンプ競技場」に登った。スキー場の北側の温泉「おびなたの湯」につかったあとは「栂池スキー場」を訪れ、そして「大出(おおいで)の吊り橋」に立ち寄ったあとは、「戸隠神社中社(とがくしじんじゃ ちゅうしゃ)」を参拝、「戸隠観光情報センター」の駐車場で車中泊。
【この日の忘れられない出来事】 「白馬ジャンプ競技場」の最高地点まで登り、そこから見下ろした「スタートポイントから踏み切り台までのアプローチ」には想像を絶する恐怖感を抱いた。視線を上げると白馬村の眺望に感動、その景色の中をフライトするパラグライダーを見ているだけで感じた爽快感、朝から色々な感情を味わうことができた。
【旅の内容】 今朝も5時に目が覚めた。眠りが次第に浅くなってきている時に、何かの物音や声が聞こえると目が覚めてしまう。多くの車が車中泊している場所では静かにして欲しいものだ。
日常生活では、7時過ぎに目が覚める毎日だが、この旅では3日連続、5時の起床が続いている。今のところ、昼間に眠気は感じていないので、バンクベッドでの睡眠が深くて十分なのだろう。
昨夜は、「旅のメモ」を書き終えずに寝てしまったので、今朝、仕上げようと思っていたので、まあ、ちょうど良い気もする。
ダイネットの窓のカーテンを開けると、今朝も霧だが、頭の上は時折、青空が見える。今日も晴れるのだろう。
コーヒーを飲みながら、「旅のメモ」を書き終わったあとの朝食は、定番になったホットサンドを2杯目のコーヒーを飲みながら食べて、最後はバナナだ。これも定番だ。
駐車場に停まっているクルマのおよそ8割が県外ナンバーだった。コロナ禍の今、ホテルでの宿泊の際に感染の可能性があるので、車中泊が増えているのかもしれない。
車中泊しているクルマの車種は圧倒的にセダンが多く、次にバン、その中は泊れる工夫がされているものもあるようだ。そしてキャブコンやバンコンのキャンピングカーは全体の10%未満か。
それにしても、朝までエンジンを掛けっぱなしにしているクルマがあり、それは、セダンの車が多いようだ。規制はないかもしれないが、マナーを守って欲しい。なお、エンジンを掛けっぱなしにしていたキャンピングカーがなかったのは、同じ仲間として、嬉しかった。
そういえば、この道の駅では、昨夜も今朝も、他のキャンピングカーの人たちとの会話の機会が無く、残念だった。
最後に、道の駅の人にお礼を伝えて出発。これからも、そうすることに決めた。そして、「白馬八方尾根スキー場」に向かった。
このスキー場は、私が初めてスキーを経験した場所であり、思い出すことといえば、ほぼ全てが苦い内容だ。
会社の同僚に誘われ、ここに連れていってもらったが、スキーウェアはもちろん持っておらず、バイクの防寒つなぎを着て、スキーの板は同僚の使っていない古いものを借りた。
ゲレンデに着くや否や、スキー経験者の彼らは私を置いてリフトに乗ってしまった。残された私はひとりで練習を始めた。「ハの字(ボーゲン)」で滑ることすら知らず、ゲレンデで滑っている人を見ながら、我流の練習を続けたところ、ボーゲンの真似事くらいはできるようになった。
昼食後は、ボーゲンができるならば、ということで、皆にリフトに乗せられてしまった。
リフトの上からはゲレンデを眺めることができたのは束の間、リフトから降りる時に転び、なぜ、こんなに滑ってしまうのか思いながら、ゲレンデの上に立つと転倒、起き上がる際に転倒、滑れば転倒、それを繰り返しながら、さらには滑落しながら下っていって・・・、それでも、ボーゲンの際の体重移動は覚えた。
その「白馬八方尾根スキー場」に近づくと、飛んでいる3機のパラグライダーが目に入った。八方尾根を背景にそれらの写真を撮り、その着地ポイントを探しながら走った。
「八方尾根パラグライダースクール」の看板が掲げられ、その先には広い草原があり、その端には倉庫や受付のような小屋が並んでいた。
見学させて欲しいと依頼するとすんなりOKを頂き、そこの女性スタッフが色々と教えてくれた。自己紹介の際に、パラモーター(モーターパラグライダー)をやっていることを伝えたので、親近感が湧いたのだろう、楽しいひと時だった。
受付を済ませた男性客3人が今からフライトするようで、もちろんタンデムフライトだが、彼らはワゴン車に乗って出発していった。その様子を見ていると、先ほどの女性スタッフが次の説明をしてくれた。
ゴンドラ「アダム」に乗り、「うさぎ平」で下りて、そこからテイクオフするとのこと。特にランチャ台はないとのこと。タンデムフライトの「空の散歩」は10~15分で、白馬の風景や正面の戸隠連峰(とがくしれんぽう)の山塊を眺められ、人気があるそうだ。ネット情報ではその料金は12,000円。
説明を聞いている間に、「空の散歩」からランディングしたタンデムの女性客がいて、フライトに満足したのだろう、笑顔が印象的だった。
このエリアでパラモーターは飛べるのかと尋ねたところ、明確な回答はなかったが、以前、このサークルの人がやっていたとのことだったので、飛べそうな気がした。
パラグライダースクールのすぐ山側にある「白馬ジャンプ競技場」に向かった。
「ジル」を停めた広い駐車場からは、聳えるようなジャンプ台が見える。手前がノーマルヒルで、奥がラージヒル。これまで、テレビでジャンプ競技を見る機会は多かったが、実際にそのジャンプ台を目の前にすると、想像を絶した。それは巨大で、勾配がきつく、そこをスキージャンパーが飛んでゆくことを想像すると、もう信じ難い空間だった。
駐車場に面した入場ゲートから先はトンネルになっており、ノーマルヒルの水平部分のブレーキングトラックの下を抜けていた。
ノーマルヒルとラージヒルの間にあるリフトで、ジャンプ台のスタートタワーの入口まで昇っている時、タワーの上部に取り付けられているオリンピックの5輪マークが見えた。多くのジャンパーにとっては憧れなのだろうと思っているうちに、リフトが着いた。
ラージヒルのスタート地点のある3階まで行って、タワーの外の階段を登ることになるのだが、そこで小さな女の子が泣いていた。網状の階段から下が見えるのが怖いようだ。私自身も怖くないと言えば嘘になるが、怖さを抑えながら登ってゆくと、地上約140メートルの高さに、最高の景色が待っていた。
スキージャンパーは、このラージヒルの上からスタートして、かなりの速度でアプローチを滑ってジャンプ。ジャンプなので、上向きの角度と思ってしまうが、実は下向きの角度で、下向きに飛び出しており、着地地点もかなりの勾配のスロープだ。目の前の全てが、想像を絶する凄さだった。
作品名:悠々日和キャンピングカーの旅:⑪信州の旅 作家名:静岡のとみちゃん