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果てのない合わせ鏡

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「ねずみ算」
 であった。
 あくまでも、どんどん増え続けていくという発想で、そのうちに、
「量産型になる」
 ということであった。
 今の時代は、
「テロの兵器」
 というものが何よりも強い。
「核兵器」
 のように一発で破壊できるに越したことはないのだろうが、その悪影響は甚だしいものがあるし、世間が許さない。
 しかし、小型で、威力の低いものは、ゲリラ戦には適していて、その分、問題にもなりにくいということであった。
 そこで、さらに、
「兵器のステルス性」
 というものを考えると、サイコキネシスであったり、ポルターガイストのようなものが、一番いいと考えていたのだ。
 今はどちらが、
「兵器としてはちょうどいい」
 ということなのか、わかっていない。
 しかし、どちらも兵器としての力は、甲乙つけがたいといえるだろう。
 となると、
「どっちが、ステルス性が高いか?」
 ということで、二人の科学者を競わせていたのだが、どうやら、競わせるということよりも、また別の方法で、いい方法が出てくるのではないか?
 ということが考えられた。
 今、ちょうど、欧州付近で、戦争が起こっている。
 そこでも試されていることがあるのだが、それを、日本の科学者はある程度までわかっているようだった、
 しかし、
「肝心なところがわかっていない」
 それはそうだろう。
 簡単にわかってしまうような兵器であれば、誰が、好き好んでわざわざ開発チームを競わせてまで作るというのか。
 日本という国は。昔から科学の発展には、著しいものがあった。
 世界的にはあまり有名ではないが、江戸時代から、こっちの時代を見ても、その科学力は、すごいものであった。
「資源と、環境さえあれば、原爆開発も夢ではなかった」
 といわれるくらいで、それを口にしないのは、日本という国が、
「唯一の被爆国」
 だからだということであろう。
 だが、昔から、非核三原則だとか言っているが、本当なのかどうか、信憑性に欠ける。
 さらには、
「某国の属国のごとく」
原水爆禁水」
 に調印しないではないか。
 もちろん、核兵器の開発などまったくダメで、できるとすれば、このような、目立たないが大量にあれば、
「十分兵器として通用する」
 というものであろう。
「ステルス」
 という意味では、もう一つの開発が、ある程度まで進んでいる。
 それは、
「モスキート音」
 というものを使ったものであった。
「モスキート音」
 というものは、
「ある一定の年齢以上になると聞こえにくくなる」
 というもので、兵器としての開発に結構諜報しているようだった。
 それも、
「ステルス」
 ということである。
 その、モスキート音というものから、今回の二つの発想は出てきた。そして、お互いに研究を競わせているのだが、そのうちに、どちらかが、少し先に進んでいるようだった。
 元々、それぞれに、一進一退が続いていて、それは最初から分かっていることだったが、次第に、それが、
「どちらかが、先に進む」
 ということになったようだ。
 これも、
「マイナスにマイナスをかけるとプラスになる」
 という解釈からくるものだった。
 しかも、伝染病からくるものなのだが、その内容としては、
「黒川博士と、山南博士の性格を考えると、どちらがどちらに含まれるか?」
 ということは、最初から分かっていたような気がする。
 二人の博士は、そんなことをまったく知らずに研究している。
 その二人を国家から派遣された人間が、監視という目的で、二人の学者を、比較してみている。
「俺は、なんて、むごい仕事をしているんだろうか?」
 と、たまに考えながらである。
 しかし、彼にそんな罪悪感は必要なかった。
 なぜなら、そんな彼を見張っている、もう一人の男がいたからである。
 まさに、
「合わせ鏡の法則」
 と言ってもいいのではないだろうか?

                 (  完  )
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作品名:果てのない合わせ鏡 作家名:森本晃次