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ススキノ レイ
ススキノ レイ
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ウィタセクスアリスー言の葉の刃

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 それ、人のせいにしない、自分に責任を持つ、責任転嫁するな、ってことですよね。結構なことなんだけど、それ突き詰めると性被害をも告発できなくなりそうじゃないですか?そんなこと刷り込むまでもなく、虐待や性被害を受けても自分を責めて他者に助けを求められない子供とか世の中に大勢いるじゃないですか。私がそう、と言ってるわけじゃありませんよ。(あ、こんなこと言ってる自体、すでに刷り込まれてるのか)でもね、もしかして先生は、私が被害者意識を持ったりしないで自己責任だから、とすべてを飲み込んで、誰かに相談して秘密を漏洩するような危険を冒さないよう、あらかじめ計画的に周到に仕組んで伏線張ってたりしてたんですか。だとしたらお見事な手腕といえましょう。まさにそうなってましたからね、私。
 
 初デート当日、先生は車を運転しながら「何回できるかな、3回?いや、4回?」なんて楽しそうに指折ってぶつぶつ言ってましたけど、(何回って言ったかは正確には覚えてません)私はそこそこ耳年増でしたが、正直それでも(え、そんなに何回もするもんなの?)って常識覆りましたよ。
 最初ですから、ちゃんと濡れててもそりゃ当然私はすごく痛かったわけで。何事も最初からうまくいくとは限らない、って言葉がよぎりつつ、無理って思いましたよ。
 だから体を硬直させてたのは拒否ったとか抵抗したとかいうわけではなく、破瓜の痛みに対する反射です。それで焦れてイラっとしたのか知らないけどその時先生は私に「もう処女じゃねえんだ、諦めろ!」って言ったんですよね。その言い方はないだろ、って当時も思いましたよ。もうちょっと何か言い方があるでしょうに。そもそも私は先生に惚れてるんだし諦めるとか諦めてないとかじゃなくて、ただ単に痛かっただけで。そんなこと言われるからこっちは余計ビビッて委縮して。先生は決して鬼コーチみたいな厳しい指導をするタイプじゃないし、誰にでも優しく接するじゃないですか。初心者にセックスを教えるのだって同じでしょう。
 そんなだから、実はその時、必死につかんでいた心の絆、先生も私のことを好きになってくれたからこうしているんだ、とどこかで思い込んでいた私の心の拠り所、みたいなものが、振り下ろされた鉈の如き一言で瞬時に断ち切られ、本当に私は何かを諦め奈落の闇に落ちたのです。その時はまだ落下しながら一縷の望みのクモの糸をつかんでいたつもりでしたが、弱弱しいクモの糸が私を支えきれるわけもなく、糸はとうの昔に切れていたんですけどね。
 これ、好きな相手だったら言わない言葉じゃないですか?諦めろ!抵抗するな!言うとおりにしろ!ってことですよね。この性犯罪の現場みたいな状況って一体何?私は一体何だったの?惚れてたはずの先生がまるで性犯罪者みたいに思えたあの瞬間、つかんでいた頼みの綱どころか、手首ごと斧でたたき切られて深淵に落下したかのような衝撃を受けました。想像してみてくださいよ。両腕から血の筋を引きながら闇に沈む全裸の私を。
 ちなみに今だから言うけど、先生は私の少ない経験上からいっても相当ご立派でしたよ。以後一日以上痛みと麻痺したような圧迫感が残りましたから。つまりエアペニスがそこにあるような感じっていうか。ああ、表現がエロすぎますね。変な意味じゃないですよ、サイズオーバーでどんだけ痛い思いをしたかってことですよ。(男性はこういうこと言うと喜んじゃうから困るんだけどね。自分が陰間茶屋に売られた少年だとでも想像してみるがいいわ)帰宅後も変な歩き方したみたいで母に「どうしたの、腰が痛いの?」とか言われちゃいましたよ。だから、やっぱり初心者向けじゃなかったですね。いきなり上級者コースに入ってしまってついていけませんでしたよ。
 2度目の時、私ガタガタ震えてましたよね。「何をそんなに震えているの?」って言われるまで全く自覚なかったんですが、それも痛みへの恐怖でしょうかね。私は強がって開き直って「いいじゃない、かわいいでしょ」とか言ったと思うけど、実はあんな言い方されてけっこう怖かったのもあるんでしょうね。その時先生は「そうだなあ、かわいいなあ」と言いつつ、「力を抜いて、深呼吸して」まではいいけど、あとは容赦のないスラスト運動。痛いって。こんなに動くとか考えたこともなかったもので。
 それから、前後を覚えてませんが、緊張からかなかなか回復できなくて焦ったのはわかるんだけど、「口でやって」って言ってきましたよね。一瞬、どゆこと?って思いましたよ。ちょっと想定外で「え?やだ」とお断りしましたよね。私だってヤなもんはヤダ、と自己主張はしたのだけれども「いいから!」ってドン引きしてる私の頭をつかんでゴムの匂いの残るペニスを顔に押し付け、何か言おうとした瞬間にすかさず口に押し込んできたでしょう。窒息しそうでしたよ。後年見たレイプもののAVにこれとそっくりな場面がありデジャブの様でした。嫌なのに、見たくないのに、あれが自分と重なってどうしても目を逸らせなかった。初心者相手に強制フェラというシチュエーションがそそったんでしょうけど、AVの撮影じゃあるまいし初心者にいきなりオーラルを要求するってのもどうなんですかねえ。それこそ鬼コーチ。初回デートのご休憩2,3時間で一体どれだけ仕込むつもりだったんだか。風俗嬢養成速習コースですか?
 
 これ、今になって考えると、震えるってやっぱ恐怖からですよねえ。怖くて震えあがってる未成年の女の子に容赦なくスラストしたりフェラを強要したりって、ちょっと鬼畜じゃないですか。よくできましたね。私が先生に惚れてなかったらこれ犯罪ですよ。もちろん先生は私が惚れて寄ってこなきゃこんなことするわけないけど。あれ、でも自分に惚れてくれてる女の子相手にこの所業って余計酷いのでは。そう思いませんか?先生。大人になってから思い返してみるとこれほんと初心者には許容範囲じゃない気がするんだけど。ああ、なんか過去の自分が可哀そうで泣けてくる。
 そしてそのあたりで私もそろそろ気づけばいいものを、わかっちゃいなかったんですね。この男は私を性愛の対象としてしか相手にしてないってことを。まあ最初からそういうことは言われてたのかもしれないし私が勝手にメンタルな愛を期待したのかもしれないですね。要するに私をセックスだけの対象として確保したかったってことですよね。そりゃあ男なんだから当然、それ以外に何があるの、俺に何を求めているのか、と言われそうで怖いから、当時そういうことを先生に直接追及できなかったのですが。
 
 要は女慣れしてない人の反動なんですかね。先生は処女と童貞の結婚だったと言っていましたよね。先生はご自分でも「俺は結構性欲が強いほうだと思う」って言ってたけど、持て余した性欲を私に丸投げしたんでしょうか。先生が遊んでないのは結構なんですが、もうちょっといろんな女性と付き合ったり別れたりした経験を積んでおいて欲しかったですね。そうすれば18歳の処女相手にあれもこれも要求するのはいかがなものか、ともうちょっと配慮できたのではないでしょうかねえ。