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ススキノ レイ
ススキノ レイ
novelistID. 70663
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ウィタセクスアリスー言の葉の刃

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 「だから、いいんです、そういうことしなくてもって言ったでしょ。逆に未だに絶倫じゃ困ります。ただ、そういう場に身を置いてみたいだけ。あ、もしかして私が何か要求するとか、強請るとか、を危惧していましたか?大丈夫ですよ。それはないから。これっきり会いませんし」
 「そうは思ってないが、意味が分からなくて」
 「私の気まぐれです。生きて動けるうちに会っておきたかったから、昔の女が昔の男にもう一度会ってみましょう、って言っただけで、意味なんかないですよ」
 「俺は去年肺の手術をしていて体力が落ちて本当にあっちはだめかもしれないよ」
 「あらあら、それは大変でしたね。お大事に。先生、結局禁煙しなかったんでしょう。あれだけタバコ吸ってたら病気にもなるでしょうに。無理はしないでくださいね」
 それでもぐずぐずしていた俺に構わず彼女は
 「周囲を気にするならさっさと移動したほうがいいんじゃないですか。はい、私が事前に調べておきました。この辺りはどうですか?安全圏でしょ」
 彼女はラブホテルがピン止めされたスマホの地図画面を見せた。彼女がこんなことを事前に調査していたとは思わなかったが考えても見れば、それなりの人生経験も経ているのだから別段驚くにはあたらないか。
 「ここにしましょうか、カーナビに入力しますよ。後でちゃんと消去すればいいでしょう。絶対忘れないで履歴消去してくださいね」
 
 彼女が見繕ったホテルはそう遠くはないが、ここらの人間はあまり行かない隣県エリアにあった。かつて俺が気にしていたから彼女なりに気を使ったのだろう。
 部屋に入ってしまってから俺は一体何をやっているんだろう、と自分自身にあきれてしまった。俺の中のどこかでかつてのように彼女を抱きたいと思っているのだろうか。正直、思わなくもないのだが。
 どうしたものかと思案しながら突っ立っていたら、荷物を置きジャケットを脱いだ彼女が振り向き
 「昔みたいに、部屋に入ったとたん抱きついたり押し倒したりしないんですか」
 などと艶めいた笑みを浮かべて言う。こっちが戸惑ってしまう。
 「君はそういうことを求めていたのか?」
 「そうですよ。でなきゃこんな場所に誘いません。さあ」
 彼女はティッシュで口紅をふき取ると、俺に体を押し付けてきた。
 「脱がせてください」
 「本当に、こんなことをしていいの」
 「ええ、どうぞ。勃たなくてもいかなくてもいいんです。抱き合ってみたいんです」
 俺は彼女の背のファスナーをおろした。ワンピースがすとんと床に落ちる。
 彼女が髪を止めていたピンを抜きとると長い髪がふわりと肩に流れ落ち、シャンプーのいい香りが俺の鼻腔をくすぐった。
 歳月を経てはいるが昔とほぼ変わらない体形だった。
 俺は下着だけになって抱きついてきた彼女を抱擁し接吻する。彼女も応じてくる。
 濃厚な口づけのあと彼女は言った。
 「先生は初めてキスした時、私の歯をこじ開けて舌を差し込んできたでしょう。でもって吸って、とか私にも舌をだして、とか、懇切丁寧なご指導で。まったくしょっぱなから随分エッチなこと教えたもんですよね」
 「そうだったっけ」
 あまりよく覚えていないが、俺は初めての彼女にそんなことを言っていたのか。言葉にされると確かにエロい。
 「最初から飛ばし過ぎです。私はほんとパニックだったんだから」
 「でも成果がでてるじゃないか」
 俺は彼女を抱きすくめたままベッドへ倒れこみ、下着を取り去る。
 若い時の彼女はやせていて胸も平らだったが、今はその当時より少しふっくらとして胸も膨らみ、若い頃よりむしろ魅力的だ。手の中に納まる小ぶりな乳房は全く垂れていないし小さな乳首も昔と変わらないピンク色だ。
 「きれいな胸だね。子供はいないの?」
 うっかり聞いてしまってからハラスメントになるかと気になったが彼女は
 「いえ、産んでますが、色素沈着しなかったみたいです」あっさり答えただけだった。
 俺はもう躊躇なくあの頃より大きくなった乳房をつかんで屹立した乳首に舌を這わせていた。
 「ああ」彼女が体をびくっとさせ甘やかな声を発する。
 俺の意識は完全にあの頃にトリップする。そういえばこの子は乳首がとても敏感だったっけ。もっと攻めてあげよう。舌でつつきながらもう片方の乳首に指で軽く触れ続ける。時々乳房を強くつかんだり、充血した乳首を吸い上げたりすると、彼女は声をあげながら身をよじった。入念な愛撫をするうちに彼女はさらに興奮し声が大きくなる。
 「先生も脱いで」喘ぎながら彼女が言う。
 俺は素早く服を脱ぎ、彼女に体を重ねる。彼女の足を開き、俺は足を抱えて潤んでいる秘所に顔を埋めた。膨れ上がった突起を舌先で舐ると彼女が小さな叫び声をあげ、体がびくんとはねあがる。泉に舌を差し入れてかきまわし潮だまりを味わう。彼女は腰を浮かしもっと、というように俺の頭を押さえた。こんなに積極的で大胆な彼女を見たことがなかった。
 当時の彼女はいつも戸惑っていた。不慣れな彼女を攻め立てることに俺は興奮を覚えていたが、今は逆に妖艶な彼女に絡めとられることに溺れたいと思った。顔を上げ下半身を合わせようとしたが、残念ながらあの頃のような元気が今の俺にはない。すると彼女の手が俺の性器を包み込んだ。
 「私がしてあげましょうか」
 俺をベッドに腰かけさせ、床に座った彼女は自分からすすんで口に含んでくれた。昔は俺が嫌がる彼女に無理強いしない限り絶対に自分からこんなことはしなかったのだが。俺の性器を咥え舌を使いながら上目遣いで見上げる彼女はとてつもなくセクシーだった。
 「上手いじゃないか」気持ちよさに気が遠くなりそうだ。
 「あの頃とは経験値が違いますから」
 彼女が上手だったのか、かつての彼女とのギャップが新鮮だったのか、俺も久々に勃起してきた。
 「本当にいいんだね」
 「昔はそんなこと言わずに強行突破したくせに」
 そうだったか。あの頃の俺はいい年してかなり焦っていたんだな。昔を思い出しながら俺は彼女に導かれてインサートする。
 「う、やっぱり先生は大きかったんだ」
 「そうなのか?」
 「まあ、私が関わった男の中ではってことだけど」
 「一体何人知ってるんだい?」腰を動かしながらつい意地悪く言ってしまい、しまったと思った。
 「そうねえ、先生よりは多いでしょうね。人生色々、ありましたから」
 お前のせいだ、と言われている気がした。息が上がってくる。
 「ああ、気持ちいいです」
 彼女が俺の腰に足を絡めてきた。がんばって動きを速めてみる。
 「妬けます?」
 「俺は嫉妬できる立場じゃないだろう?」
 言いながら腕が疲れてくる。
 「そうですね。でも気になりますか?」
 「まあね」
 「詳しく聞きたい?」
 「やめておくよ。怖くて聞けない」
 「ずるい」
 俺はやはり彼女の人生が色々になった最初の原因ではあるなあ、と思い至るに伴い急速に萎えていくのを感じる。
 「このぐらいでちょうといいですよ」
 彼女は俺を鼓舞するように腰を突き上げながら締め付けてきた。君はこんなエロティックな女になったのだなあ、あの頃にやってほしかったくらいだ、と思う。