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人間模様

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その2


前章を書いてから脳の働きが鈍くなり、何とか一日の最小限をこなしている内に一季節の終りに来てしまった。
今年の夏は何と変化に飛んだ日々だっただろう。

梅雨明けと共に猛暑となり、毎日熱中症警戒アラートが出た。外出は四日に一度ぐらいの割合で車でスーパーに行き、食欲の無い腹を満たす食材を買ってきた。

猛暑の中で震度4の地震に襲われ恐怖の数日を過ごした。家族からの、大丈夫?との問い合わせが二つ同時に来た。四つの眼がいつも注がれている気がして支えられた。友達は地震のあと一ヵ月間不安だったという。

地震の恐怖を少しずつ忘れかけていたとき、大型台風の予報がテレビに流れ始めた。二軒のうちの一つ、母屋の戸締りを点検に行ったら、全ての窓が10センチずつ開いていた。娘が帰国して泊まったのでその前にシルバーさんに掃除をしてもらっていたからだ。

のろのろ台風の渦は四国で長い間留まっていたが、わがや近辺には何も被害はなかった。少しずつ進路が北上し悲惨な被害情報が連日テレビで報じられた。
やっと落ち着いたかなと思えるこの一週間ほど、再び猛暑が戻ってきて外出は滅多にしない。



作品名:人間模様 作家名:笹峰霧子