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悪魔への不完全犯罪

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「なるほど、それはそうかも知れない。まるで、車庫証明を取るのに、どこかの土地を借りるというようなことが、平然とおこなわれていた時代もありましたからね」
 という。
 実際に今でも、行われているところも多いだろう。
 それを考えると、実に考えられないということではないはずだからである。
「後、考えられるのは、外人の不当就労が行われているなどという場合ですね。強制送還を恐れての、あの手この手の犯罪は、お金が動きますからね」
 というではないか。
 これも、犯罪がらみのことになるのであろう。
「後は、本当に犯罪を犯していて、大っぴらに契約ができない」
 という場合ですね、
 特に今は、凶悪犯であれば、
「時効は撤廃されている」
 ということになるので、潜伏するにも、なかなか難しい。
 ということで、
「名義貸し」
 というものを利用しないと、部屋を借りられないということになるだろう。
 ただ、この場合、いくら不動産会社が、悪徳なことを考えていたとしても、相手が、
「犯罪者」
 であって、契約をするだろうか?
 ということであるが、
「それは、意外と行けるのかも知れない」
 と考えている。
 警察というものを、
「いかにうまく欺くか?」
 ということである。
 一応警察は、
「公務員」
 ということで、
「国民の命や財産を守る」
 ということが建前になっているが、
「裏では、何をやっているか」
 と言われ続けていたりもする。
 中には、
「ヤバイ連中と組んで、街の治安を守っている」
 というような、
「反社会組織」
 というものの存在を、
「必要悪」
 として捉えていることもある。
 そのいい例が、
「パチンコ屋」
 というものの存在ではないだろうか?
 昔は、
「反社会的勢力の資金源」
 ということで、パチンコ屋は君臨してきたが、次第に規制も厳しい中で、今でもしっかり尊属している。
 特に、その存続を、警察が公認したことで、今でも、
「パチンコ、パチスロ」
 というのは、ギャンブルではなく、
「遊戯」
 ということで、厳密な、風営法という法律の括りとしては、
「ギャンブルではなく、ゲームセンターと同じ扱いなのだ」
 ということである。
 しかし、
「換金できるではないか?」
 と言われるのも、もっともだろう。
 しかし、そこは、警察公認ということでの、
「三店方式」
 というものが採用されていることで、
「パチンコはギャンブルではない」
 ということになっているのだ。
 この、
「三店方式」
 というのは、換金といyわけではない。
 まず、ホール内で、客が、出玉を持って、スタッフに、
「玉交換を依頼し、交換機に玉を流し込むことで、玉の数が計測され、その数を記したレシートを貰うことになる。
 そして。
「パチンコ屋の受付カウンターに持って行くと、それを景品と変えてくれる」
 ということだ。
 もちろん、その時に、日用品やお菓子、タバコなどに変えることも可能であるが、まずほとんどの人はそんなことはしない。何と言っても、荷物になるし、換金して、
「次の軍資金」 
に使ったり
「、これから、飲みに行ったりする分のお金」
 にしたり、
「中には貯金」
 という人もいるだろう。
 それが、普通に考えれば、
「当たり前のこと」
 であり、換金する時は、今度は表の、
「景品交換所」
 というところに行くことになる。
 問題は、この、
「景品交換所」
 であり。ここは、表向きには、
「パチンコ屋とは、まったく関係のない会社」
 が運営しているということになるのだ。
 だから、
「パチンコ屋」
 というのは、
「景品交換までがパチンコ屋の経営」
 であり、
「景品交換所」
 というのも、これこそ、
「景品を買う」
 という、形式はちがうが、質屋に近い形のものだと思えばいいかも知れない。
「質屋であれば、合法なので、景品交換所を認めないということは、質屋も認めないということになるので、それでは、社会的にまずい」
 ということになるのかも知れない。
 考えてみれば、
「世の中には、必要悪と呼ばれるものがたくさんある」
 ということだ。
 元々は、パチンコ屋における、
「三店方式」
 という考え方は、戦後の中で、パチンコ屋が伸びてくる中で、
「必要悪だ」
 と言われた部分で、警察としては、
「これを利用していた」
 という経緯があることから、いまさら、
「パチンコは、ギャンブルだ」
 ということにはできないのだろう。
 ただ、パチンコというのも、社会問題を作ってきた経緯もある。
 それは、他のギャンブルにも言えるのかも知れないが、一種の、
「依存症」
 というものだ。
 他のギャンブル。
 日本においては、たくさんあるギャンブルの中では
「公営ギャンブル」
 と言われている。
「競馬」
「競輪」
「競艇」
 などというものは、一種のスポーツの発展形だといってもいいかも知れない。
 しかも、
「公営ギャンブル」
 ということは、
「国家も潤う」
 ということであり、国家が、辞めさせるわけにはいかない重要な、国家にとっての、
「資金源」
 ということになるのだ。
 だからこそ、
「必要悪」
 と言われているもので、
「警察が潤うわけではないが、ある意味、反社会勢力への資金源にならないように、依存症になっている人にいきなり辞めさせるということはできないという観点からも、この方式は、必要悪だ」
 といっても過言ではないだろう。
 それを考えると、昔から存在している
「車庫証明」
 なるものを取得するために、土地の名義を貸し、それを、謝礼という形で受け取るということは、ある意味、
「法の盲点」
 というものをついているといってもいいかも知れない。
 それを、
「必要悪」
 といってもいいのかどうか分からないが、実際に、行われていて、トラブルになることもないので、社会問題になりっこない。
 そんな状態において、見つかった死体。
「これは何を意味するというのか?」
 事件の展望は、その裏で蠢いている計画に移っていくのであった。

                 大団円

 この事件には、黒幕がいる。その黒幕が糸を引いているというわけだが、そもそも、この事件においての、坂下というのは、どういう役割になるのだろうか?
 財閥と言われる、
「巨大企業」
 の、
「次期社長」
 というのが、この死体が見つかった部屋を借りていた契約者ということになる。
 そして死体は、その部屋で実際に住んでいた人間ということになると、一番の容疑者は、坂下だということになる。
 この事件で、まだ表には出てきていないが、実は、この部屋で、暗躍をしていたのは、坂下だったのだ。
 やつが、暗躍するために、この部屋を、
「隠れ家」
 として使っていた。
 これは、非合法ではあるが、さすがに、殺人までの犯罪ではない。実際に、自分がやっていたことを白状しても、殺人犯にされることを思えば、大丈夫なことであった。
 しかし、実際に、坂下には、
「犯行が行われたであろう時間帯のアリバイがなかった」
 というのだ。
作品名:悪魔への不完全犯罪 作家名:森本晃次