声が聞こえる(続・おしゃべりさんのひとり言146)
声が聞こえる
四つ葉のクローバーと話が出来る少女がいるらしいです。
かなり前だけど、関西の人気深夜番組で取り上げられていたのですが、その女の子は公園で「四つ葉のクローバーを探して」って言われて、すすすすーっと草むらに入ってクローバーを一本ちぎって戻って来たと思ったら、それが四つ葉なんですよ。
次から次に凄い早さでたくさん発見していました。
オマケにその子、「(こっちにあるよ)って声が聞こえる」とか言ってましたけど、本当でしょうか?
普通、(やらせじゃないか?)って思っちゃいますけど、僕は結構この能力の理由を知っています。
僕は暗算が得意ではありません。
そろばんを習っていた友達が、嘘のように速く計算するのを見て絶対に敵わない能力だと思ったのは小学校時代。
その頃僕は公文式の算数教室に通っていて、計算式20問のプリント10枚を週に3回こなしていました。
とても単純な計算の繰り返しで、2~3年生だった僕は飽き飽きしていたんです。
それでもたまに間違えて、答案に大きなマルを画いてもらえない時もあったけど。
でも結局、そのくらいの訓練じゃ、僕はそこに通っても通わなくても大差なかったと思うな。
今もごく普通の計算能力しか持ち合わせてないもん。
そろばんに慣れている人は、頭の中に仮想のそろばんを持ってるって聞くけど、僕が実際にそろばんを弾いてみても、その計算方法が合ってるのかさえ自信ないので、到底無理な話だよ。
事実、銀行員になった新人時代の研修では、そろばんで7~8桁くらいの足し算を10問させられたことがありました。周囲の人は、パチパチと音を立てて計算していますが、僕は暗算するしか手はありません。やっとのことで1問解答出来たところでタイムアップ。それさえも間違えてしまいましたから0点でしたww。
これじゃ、電卓に頼るしかありませんね。
ところが、僕は少額のお金の計算なら速いんです。
何千万円とかの売上の話じゃなくって、お小遣い程度の出入金での話です。
日本円だと、単純に3桁程度の計算くらいなら、答えを暗記しているかのように出て来ますね。
つまり、1000-(140+128+230)= を数式で見せられてもすぐに答えられませんけど、
「140円のお茶と128円のおにぎりと唐揚げ230円で、498円」ってくらいはイメージするの簡単でしょ。これらの品物を買うのに1000円支払うとおつりは502円だって、お金で考えると割りと計算がしやすくなるんです。
その時、頭の中に自然と百円玉何枚とか十円玉とかが思い浮かびます。これらを無意識にイメージしている感じです。
ま、単位が小さいうちだけですけど、子供のころから数百円くらいの買い物に慣れてるから、イメージが楽なんだと思います。
だから仕事で在庫計算なんかしてる時でも、(Aは140個、Bが128個でCは230個あるから)と考えるより、円に置き換えて「140円と128円と230円で498円(個)、それで1000個入るケースだと、空きスペースは、502円じゃなくって、502個だ」って計っしたりします。
なんか変ですけど、この方が計算が楽なんです。
僕にとっての『頭の中のそろばん』みたいなものかな。自分にしか分からない感覚でしょう。
それじゃ、ばらまいた硬貨の枚数は数えられるかな? それがいくらか計算できるだろうか?
これには計算能力の他に、硬貨の枚数を瞬時に認識する能力も必要になります。
昔観たダスティン・ホフマンとトム・クルーズ主演の『レインマン』という映画で、床にばらまかれた爪楊枝の数を瞬時に「246本」と言い当てるシーンがあって、僕もどれくらいの数なら、一瞬(実際は4~5秒)で数えられるかやってみたんです。
すると最初は7~8本がやっとだったのが、繰り返していくうちに三十数本くらいまで感覚で判るようになりました。
爪楊枝の落ち方(並び方)にもよるんですが、僕は7本と8本のグループ(かたまり)を瞬時に見付けて、その15本を一括りとしてニ組、その30本と残りの本数で答えを出す感じでした。
レインマンでは「82本82本82本」と言っていましたので、その合計が246本だったのです。
僕の場合も似たような感じで、(視界に入ったものを広くフラットに認識できる能力)に目覚めた気がしたんです。
小銭の計算みたいに、自分なりにうまくできるツボを見付けたんです。これも自分にしか解らない感覚のようなものです。
作品名:声が聞こえる(続・おしゃべりさんのひとり言146) 作家名:亨利(ヘンリー)