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邪悪の正体

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 それでは、契約相手は大きな不利益を得るので、法定代理人である。親権者などに、契約を任せ、契約相手も、本人が未成年であるということを知っておかなければならないということを怠ってしまうと、本当に契約が取り消されても、文句が言えなかったりする。
 記憶喪失者にも、たぶん、
「法律的無能力者」
 というものが働いて、準禁治産のような形にて、契約を無効にするということができるので、同じように、
「準禁治産者を守る」
 ということになるだろう。
 しかし、だからと言って、相手も保護されなければならず、そう考えると、
「記憶喪失者は、保護されるが、記憶を失っている場合における保護がどこまで行われなければいけないか?」
 というのは、曖昧なところであろう。
 その曖昧さが、
「暗黒星」
 のような考え方であり、法律的無能力者というものが、いかに、この、
「光を放たない星」
 のような、不気味な存在になるというのか?
 そのあたりを、いかに考えるかということに掛かっているのであった。
「記憶喪失者の記憶がよみがえる時、躁になるか、鬱になるか、そのあたりが問題だったりもした。
「暗黒星」
 の場合、
「見えないことで、そばにいても気付かない」
 という
「邪悪な星」
 であった。
 ということは、レズであっても、躁鬱症であっても、
「重ねることのできないものであり、さらに、一緒になったとしても、お互いを高め合っているつもりでも、ただ傷を舐め合っているかのようで、特に、躁と鬱との間で、決してお互いを相殺し合っているというよりも、さらに、余計にひどいものを生んでしまう」
 というところでの、
「邪悪な星」
 を感じさせるのだ。
「かすみとつかさ」
 の二人には、それぞれに、似たところと、合い重なるところのない邪悪な思いが存在し、その中で、記憶喪失した部分を、
「それぞれに持っているのではないか?」
 と感じるのであった。
 さらに、躁と鬱の周期が二人の間にあり、どちらかが表に出ることで、
「二重人格性」
 もあるのだった。
 そう、
「かすみ」
 と
「つかさ」
 二人は別々の身体を持っているが、それぞれが、身体を共有しているかのような感覚である。
 お互いに、一つの身体を二人で分け合っているかのような、
「多重人格性」
 を有しているように見えていたのだが、それは、小説の中での話であった。
 しかし、実際に、
「かすみ」
 という女も、
「つかさ」
 という女も両方存在する。
 だから、お互いの気持ちが、お互いの肉体を貪り合うことで、レズビアンの様相を呈してくるのであった。
 つかさには、
「精神疾患」
 というものがあった。
 時々、
「自分のまわりにいる人が、自分のことをいつかは攻撃してくるのではないか?」
 と感じることであって。その予備軍として、
「自分のまわりが、敵だらけになってくる」
 というものであった。
「カプグラ症候群」
 というものらしいが、この発想を抱いた時、自分の中で一つの記憶が喪失し、意識が、怪しくなり、誰かを求めてしまう。
 その歪んだ異常性癖が、
「レズビアン」
 というもので、相手がつかさだということで、お互いに、時と場合によって。
「邪悪な存在」
 となるのだ。
 かすみは、自分のことを。
「暗黒星」
 つまり、
「邪悪な星だ」
 と思っている。
 そのことが、さらなる妄想と、被害妄想であったり。不安から、卑屈な気持ちを真子超すということになるのだ。
 それこそが、
「邪悪の正体」
 なのではないだろうか?

                 (  完  )
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作品名:邪悪の正体 作家名:森本晃次