小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

禁断のライセンス

INDEX|2ページ/19ページ|

次のページ前のページ
 

 そもそも、日露戦争の勝利にて獲得した満州鉄道の権益を、中国に邪魔されるのだから、特に、日本国内でも、不況で混乱している時、
「果たして、どのように対応すればいいか?」
 と考えると、あのような、
「軍事行動」
 が必要不可欠だったのだろう。
 中国は、国際連盟に提訴し、リットン調査団が満州を訪れ、
「あれは、日本の自作自演」
 と言ったものだから、日本は、孤立し、国際連盟の脱退を余儀なくされた。
 そもそも、満州においても、日本の権益は、某国、イギリスからは、ある程度は承認されていたことだろう。
 日本に、自分たちのアジアでの権益(フィリピンやインドなどの)を保証してもらえるし、中国側をけん制することもできるというものだ。
 中国という国は、ヨーロッパに食い物にされているが、独立国家として成立はしているが、
「中国国民党、共産党、北軍閥」
 などといった勢力が内戦状態であった。
 日本という国の立場もややこしいところで、旧清国の、負債などをいかに中華民国が取り扱うかということも問題だったのだ。
 そこから、日本と中国の緊張が高まり、その後の戦争に突入していく。それは、
「満州事変」
 を引き起こした張本人である、
「石原莞爾」
 の思ってもいなかったシナリオだったことから、話がややこしくなっていくのだった。
 石原莞爾という人は、参謀本部よりやってきた人で、彼の中にある、
「日蓮宗」
 への信仰と、さらに、
「世界最終戦争論」
 という考え方に基づいた作戦だったのだ。
 彼の中では、
「世界は、まず各地域で戦争や紛争が起こり、その地域ごとの代表となった国が、最終的に一騎打ちを行う」
 というものだった。
「ヨーロッパは国が乱れ、ユーラシアは、ソ連の内戦が起こったり、粛清があったりして、体力がない」
 と分析し、
「そうなると、決戦は、日本と某国の二大国による未曽有の大戦争が起こり、その勝者によって、世界の新秩序が築かれ、世界平和が訪れる」
 ということであった。
 つまり、日本においては、まず、
「アジアの代表」
 となるべく必要があり、そんな時に、
「中国に侵略をしている場合ではない」
 ということで、
「満州国」
 というものを、しっかりと日本の傀儡国家とし、
「日満蒙朝漢」
 による、
「五族共存」
 を唱える必要があるというのだ。
 そういう意味では、大東亜戦争が始まった時の、その理由としたことは、ある意味、石原莞爾の望むところだったのかも知れない。
「アジアを、欧米列強から解放し、東アジアに、協力国を打ち立てるという意味での、大東亜共栄圏というものを建設するのが目的だ」
 という、
「大義名分」
 としては、十分なものだったといえるのではないだろうか?
 そんなことを考えていると、
 ただ、問題は、
「日本が孤立してしまっていて、欧米列強の大きな国をすべて敵に回してしまっている」
 ということであった。
 本来なら、某国という超大国に、
「1対1」
 の決戦を挑まなければいけないのに。気が付けば、周りは、
「イギリス」
「某国」
「中国」
「オランダ」
 と敵だらけだった。
「最初の一撃で相手の戦意を喪失し、そこから一気に有利な状況に持ち込んで、第三国の仲介で、和解する」
 というのが、本当のシナリオなのに、
「仲介してくれる第三国」
 がどこにあるというのか、ヨーロッパを席巻しているドイツと同盟を結んでいるだけでも、敵対するのに、それどころではない状態で、日本がお願いできるわけもない。
 そういう意味でも、
「世界から孤立するということが、どういうことになるのか?」
 ということを本当に分かっているというのだろうか?
 それが大きな問題だったのだ。
 石原莞爾の目論見は、まったくもって外れたのであった。
 医薬品を開発する部署、機関が組み込まれることは、本当は、水面下にて、
「国家の最重要機密」
 だったはず。
 それなのに、さすが日本の国家体制、いわゆる
「ザル」
 だったのだ。
「某国の属国」
 というのは、本当のことだろう。しょせんは、すべてが丸わかりということだ。
 いや、
「属国の方がましなのかも知れない」
 属国と公表されていれば、属国としての、
「権利」
 というのも得られる。
 属国並みの義務だけ負わされて、結局、権利はないわけなので、それだったら、最初から属国という方が、マシである。
 属国なら、守ってくれるが、属国でなければ、他の国から攻められても、守ってくれるという保証はない。何しろ、属国ではないのだから。
 我が国における医薬品は、医薬品メーカーに対して、政府が依頼をすることもあるが、国営というものはない。
 今まで国営とされていたものは、今では皆無に等しい。
「何となく国営っぽいのはあるが、本当に国営なのか?」
 というところであり、ある意味、曖昧なところだといえるだろう。
「民主国家というのは、民間にあまり口を出さない」
 そういう意味での国営というのはないのだが、水面下で、国が支援しているところもあるのではないだろうか?
「国が支援?」
 そう、国が支援しているということは、国家予算から賄われているということ。
「じゃあ、国家予算は?」
 といえば、そう、我々の収めた税金である。
 少なくとも、明白になったうえで、公表されたものでなければならないのに、曖昧な組織が、曖昧な使い方をするというのは、本当であれば許されないのだろうが、それが行われているというのが、悲しいかな我が国なのかも知れない。
 医薬品に関しては、結構厳しいのが当たり前で、政府と言えども簡単には、手を付けられない。
 しかし、政府に匹敵するような何かが暗躍しているとすれば、それもありえることだ。
 さて、前述の、満州事変後に起こった、大陸侵攻、さらに、のちの、
「欧米列強への宣戦布告」
 などということに繋がる際に、日本軍が密かに作ったのが、
「731部隊だ」
 と言われる。
 証拠はないので、何とも言えないが、今のこの小説に登場する、架空国家は、設定としては、その
「731部隊」
 の生き残りと呼ばれる人たちが密かに作った国家に。某超大国が支援をし、大きくなっていった国ということになる。
 だから、属国なのだが、表だって、属国だということはできない。なぜなら、
「731部隊というのは、作り話だ」
 ということにしておく方が、都合がいいからだ。
 元々、そんな国家だったので、建国に際しても、細心の注意とタイミングの見計らいがあっただろう。
 国民はというと、当時の日本人、さらには、朝鮮人など、満州で取り残された人が、密かに保護され、建国した国で、平和に暮らせていたということだ。
 そうでもしないと、建国した際に、
「怪しい」
 と言って疑われるからだ。
 建国の時期としても、さきの大戦終了後の、
「東南アジアやアフリカ諸国の、宗主国からの独立運動」
 というものが、激化していて、毎年のように、独立が行われてるところに、一つの国が、どさくさに紛れて建国しても、大きな問題にはならないだろう。
 しかも、タイミング的には、
「イスラエル建国」
作品名:禁断のライセンス 作家名:森本晃次