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さよなら、カノン【小説版】

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「気をつけて」
実穂子と正樹は、玄関先で少しの間見つめ合った。
そうして正樹はカノンの手を引いて門扉を出て、県道へ向かった。
県道脇に”浅葉小学校”とボディにレタリングされたスクールバスが停まっていた。
正樹はバスに乗るよう、カノンを促した。
ぐずぐずすながらも、カノンは運転手が見える扉からバスに乗った。
窓側の席に着くと、カノンは笑顔で正樹に手を振った。
正樹もカノンに手を振り返した。
扉が閉まり、バスが発車した。
正樹はしばらく道端に立ち、バスが遠ざかっていくのを見送った。