(前編) 黄金山基地の未確認生物たち:あんたには俺がいるだろ
5話 AIロボットたち
俺たちが乗った白いカプセルは実に静かにサーと。それから10分ほど走ったかな、何のショックもなく停止、そしてドアーが開いたんだよ。もちろん降りたさ。
すると《ビツクリ》だったんだよな。そこは広さは直径500mくらいの円形平面。そして高さ100mくらいはあろうかの空間で、20台ほどのカプセルが停まっててね、色も白、青、緑などいろいろ。大きさは大から小まで、一番大きいので高さ50m、巾30m、長さが100m以上はあったかな、そいつは2機ほどあったかな。
まさに浩二も俺も目ん玉が飛び出してしまうほどの驚きで、ただただポカーン。
そんな放心状態の時に背後から肩をトントンと叩かれたんだよ。もうビックリで、振り返れずカチンコチンに固まってしまっていると声が掛かってきてね。
「浩二に直樹のお二人様、ようこそ、ここからはこのリストフレンド・ナンジャラホイの案内に従って、地球人の山烏(やまがらす)・ジッチャンを訪ねてください、あなた方の疑問にすべて答えてくれるでしょう」、……、だって。
それでも噂のグリーンアイズAさんと同類と思われる生物が指先までチカチカ光らせて、その腕時計のようなナンジャラホイをわざわざ手首に巻いてくれてね、思わず俺たちはニコッ。
その後、「おのおの方に、Good Luck !」と申されて、さっさと立ち去られてしまったんだよな。
なんで俺らの名前知ってんだ?
俺たちはシンクロに首を傾げたが、ただただ置いてきぼりを食らった空虚感の中で、ボー。そんな時にリストフレンド・ナンジャラホイが突然しゃべり出したんだよなあ。
「おい、地球の貧乏人たち、50mほど先に建物があるだろ、そこに入り、まずお前達の汚いバイ菌を駆除するため、消毒ブースを通れ、それが終わると、ここは第3層、言い換えれば地下だけど、第1層のグランドフロアーまでエレベーターで上れ、そしてそこにあるカートに乗れば、オートマティックに山烏・ジッチャンの所に連れてってくれるぜ、これからは俺・ナンジャラホイがサポートしてやるから、感謝しろよ!」
手首に巻き付けただけのコミュニケーターのくせしてえらい生意気なヤツだ。カッとなり外して放り投げようとしたが、どうしても外れない。体の一部のようにくっついてやがるの。
思わず浩二と二人で声を上げてしまったんだよな、「一体こいつは……、ナンジャラホイ!」と。
これで不思議に怒りも収まり、ナンジャラホイが指示した通り進み、話してた第1層、要は地上階で準備されていたカートに乗ったよ。そして走り出して、そこからは驚愕の連発、今まで目にしたことがない風景に出くわしてしまったんだよなあ。
まずは長さ1km、高さ500mはあろうかの半球ドーム型の空間のど真ん中にそびえ立ってたんだよ、真っ白なお城が。
鉛筆みたいな塔が数本あり、その真ん中に、どう表現したら良いのかわからないけど、そうだな、キュウリ、ニンジン、いや違うな、う~ん、先細った白い祝い大根……、かな?
作品名:(前編) 黄金山基地の未確認生物たち:あんたには俺がいるだろ 作家名:鮎風 遊