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(中編) 黄金山基地の未確認生物たち:やっと先が見えてきた

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 えっ、ヒミコちゃん?
 ヒミコちゃんて、一体誰?
 私が45度ほど首を傾げてると、マーマー姉さんがまずは「まあまあまあ」と私の動揺を沈め……、されどもマーマー姉御のまあまあに我がおつむは余計に混乱しました。
 その上に、「ヒミコちゃんは娑羅姫の俗名よ、大昔にね、邪馬台国の卑弥呼女王もここを訪ねていてね、KASIKO星人の5000年先の技術で判明したんだよ、娑羅姫は卑弥呼の子孫でもあるのよ、おい、直(なお)ッチン、こんな大事なこと知らなかったのか、もっとお供業務に励め!」と私を叱りました。
 そして穏やかな口調で、「ヒミコちゃん、森のプリンセスから宇宙基地のクイーンにきっとなってくれると思ってたわ、今地球はヤバイッしょ、この美しい星を守って行く、そのお勤めは大変だけど、私たち地球出身の宇宙人は全面協力するわ」と告げました。
 私は一連の状況が把握出来ず、ポカーン。
 されどもお二人は私の前でニコニコ、その上に強いハグをなされているのです。
 そんな時です。
 やっぱり持つべき者は友ですね、浩二がスタスタと私の所へやっ来て、「ここにしばらく住んでみてわかったことがあるんだよ」と言い、珍しく淡々と説明してくれたのです。
「なあ直樹、魔界平一族は源平合戦で負けて黄金山に落ちてきてな、この山にどうも神が住んでるのではないかと思うようになったんだよ、なぜなら不思議な連中に会ったからだよ、わかるだろ、KASIKO星人とかHYOKORI生物だよ、彼らは危害を加えて来るわけでもなく、ただ淡々としていて、何かで争うということはなかった。そんな縁で、彼らが住むこの一帯の自然を守って行くことにしたんだよ。それから長いお付き合いが始まってな、その行き来は姫屋敷の奥座敷に隠れ扉があってな、その先はトンネル。そこを通れば基地に来れたんだよな。もちろん幼かった娑羅姫もそこを通って、お城や山烏・ジッチャンとバッチャン、マーマー姉さんの家に行ったりしてよく遊んでもらってたようだな」
 ここまで一気に話し込んだ浩二は一つフーと大きく息を吐きました。
 私はそんな経緯があったのかと驚きながらも一つ訊きました。
「トンネルがあるなら娑羅さんは、なぜこんなに遠回りをしてここに来たんだよ?」
 これに浩二は「10年前の地震でトンネルが埋まってしまってな、その後娑羅さんはどうしてももう一度この基地を訪ねたいと思い、ここからは俺の推測なんだが、俺たちずっと未確認生物を追っ掛けてきただろ、だからいつかこの基地へのルートを探してくれるだろうと一縷(いちる)の望みを掛けて俺たちと付き合ってくれてたんだよ」とさらさらと語りました。