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(中編) 黄金山基地の未確認生物たち:やっと先が見えてきた

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 だがこの発言、私はちょっと頭に来ました。
「えっ、えっ、えっ! ちょっと待ってくれよ、俺たちは基地探しのただの助っ人マンだったのか?」
 これに浩二は大人発言で私をなだめてくれました。
「あのなあ、お前、ヒミコちゃんのことを愛してるんだろ、それでお前は、地球上のお前のくだらない日常をすべて捨てて、これからは女王さまのご飯のお供としてここで生きていくことを決めたんだよな、すべては結果オーライ、良かったじゃないか」
 浩二のこの発言、あちこちに棘がありましたが、私は我に返り、「そうだよな」と一つ頷き、それから「俺の一生掛けて、娑羅姫を守って行きま~す」と大声で叫び、あらためて己の覚悟を皆さま方にお伝え申し上げました。
 これに娑羅姫は私の所へ近付いてきて、一言掛けてくれました。
 これが実に嬉しかったです。
「直樹、ありがとう」と。
 だけど私にはまだこの基地や宇宙人達のことが知りたく、浩二に尋ねてみました。
「なあ、ちょっと質問だけど、KASIKO星人ってメッチャ高度な宇宙人だろ、この地球を自分たちのものにしようとすれば出来ただろうに、どんなスタンスで我々地球人と付き合って来たんだよ?」
 これに浩二はウンウンと頷き、「実は俺も気になって彼らの様子を窺っていたんだよ、そしてその答えはな、要は、……、サファリパークだよ」と言う。
「なんじゃ、それ?」と私は友人の顔をのぞき込みました。
 これに浩二はまるで天下を取ったような顔をして言ったのです。
「なあ、直樹、サファリ公園の動物って、要は放ったらかしだろ、決して深く関わらず、ただ遠くから眺めているだけ、その手法がヤツらにとっての他の星の生き物との付き合い方だよ」
 私は「ほう、そうなんや」と感心するだけでしたが、「だけど、卑弥呼女王がここを訪ねたり、卑弥呼女王の血筋の娑羅姫が仲良くしてもらったり、その上に俺たちも受け入れてくれただろ、これってどういうことなんだ?」とさらなる疑問をぶつけてみました。
「そうだな、直樹の疑問は当然だよ、俺も何でかなあと思っていたが、その結論はな、そう、『魚心あれば水心』なんだよな、かって卑弥呼女王も身体を壊し、それでも邪馬台国を平和に維持して行くためここのKASIKO星人を頼ってきた、そのお返しなのか卑弥呼女王の血筋の魔界平一族はKASIKO星人達が好きなこの黄金山の自然を一所懸命守ろうとしてきたし、……」と言う。