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違和感による伝染

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「条件反射というのも、違和感を感じさせないという意味での、結局は、脳によるコントロールなのではないか?」
 と感じさせられるのであった。
 目の前の病院にさっき書かれていた文字を探してみると、やはり、そこには、
「神経科」
 という文字があり、その横に、
「精神疾患など」
 という言葉が書かれていた。
「コンプライアンス上、問題ないのだろうか?」
 と考えてしまったのは、自分が日ごろから、コンプライアンスに対して、敏感に感じているからではないか?
 と考えるからであった。
 コンプライアンスというのは、ここ十数年くらいで言われるようになったことなので、本当に最近のことにしか思えないのだった。
 子供の頃にあったはずのない言葉だったが、ずっと昔から聞いたことがあったかのように思えるのだ。
 何とも言えない感覚だったといってもいいだろう。
「それにしても、病院はどこに行ってしまったのだろう?」
 という思いがあったが、何となく、なくても別にいい気がした。
 それは、違和感という思いとは違うところで感じるもので、
「もし、自分が意を決して、病院の扉を開けて診察ということになったとしても、本当に正直に今の感覚をいうかどうか分からない」
 と感じた。
 それは、自分自身で、自分に自信がないということもあるが、それ以上に、
「違和感がどこから来ているものなのか分からない」
 からだった。
 会社にいる時、家族に対しての感覚は、違和感の中に、自分が四面楚歌になるということでの理由付けがハッキリしていたからだ。
 それを、
「違和感だ」
 ということであれば、違和感というものがどういうものなのか分からない。
 そう、しいて言えば、
「虫歯が痛いと思ってみれば、実は口の中に口内炎ができていて、その影響で痛いだけで、実際には、虫歯ではなかった」
 という感覚と似ている。
 ただ、繋がっている神経が刺激し合うことで、
「違和感が伝染する」
 ということになるのであろう。
 そういう意味でいけば、今、世界中で流行っている、
「世界的なパンデミック」
 と呼ばれるものも、
「違和感による伝染が影響しているのかも知れない」
 といえるのではないだろうか?
 それを、今の政府に分かるはずもない。
 まるでそれが言いたいかのように、目の前に、
「精神科だと思っていた病院が、歯科医になっている」
 のだった……。

                 (  完  )
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作品名:違和感による伝染 作家名:森本晃次