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時代回顧

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「もう、国家も国民も腐ってしまっていて、亡国へとまっしぐらなのではないか?」
 と言われても仕方のないことであろう。
 そんなことを考えていると、次第に、
「この人はやってくれると思ったのに」
 と考えることが、果たして何度あり、ことごとく、裏切られてきたことか?
 と考えるようにあると、
「ああ、そうやって考えると結果的に、どんどん最悪になっていくではないか?」
 と考えるのだ。
 そうなると、大げさに思えた、
「亡国」
 という言葉も、まんざらではないと思えるようになるのだ。
 本当に、この国はどうなっていくのであろうか?
 実際に、
「この国がヤバイ」
 あるいは、
「あのソーリは、やはりとんでもない」
 とやっと国民が気づき始めたのは、例の疑惑だらけのソーリが暗殺された時だった。
 最初は皆、
「この国で暗殺なんて」
 といってビックリしたようだが、考えてみれば、この国では、それくらいのことが起こっても不思議のない国ではないか?
 何と言っても、四半世紀とちょっとくらい前には、
「地下鉄サリン事件」
 という、世界でもなかなか例を見ないと言われたテレ行為があったではないか。
 それだけ今までが何もなかっただけで、警察の警備も、
「サルだった」
 ということであろう。
 暗殺の理由は、当初、犯人は、
「ソーリには関係ない」
 といっていたようだが、実は彼も被害者で、ソーリや、さらには、与党の議員が、霊感商法などで、世間をずっと騒がせてきた、
「某宗教団体」
 と結びついていることが分かり、政治家もボロボロ関連が出てきたことだった。
 そもそも、地味な人にしたのは、そういう汚職に塗れていない人を扱うということを前面に押し出したことだったはずなのに、それが実は違ったということからだった。
 しかし、問題はそのことではなかった。
 なんと、このソーリが言い出したことが問題だったのだ。
 あれだけ疑惑に塗れ、自分があぶり出すとまで言った相手に死んでまで忖度しようというのか、
「国葬にする」
 と言い出したのだ。
「それだけのソーリだ」
 というが、実際には、細かいことでは、法律制定などしてきたかも知れないが、実際には何もやっていない、ただ単に、
「他にやる人がいない」
 と言われただけの、形だけの、
「通算、史上最長政権期間」
 だったというだけではないか。
 疑惑だって解明されたわけではない。最低でも疑惑を解消したうえで言うのであれば理屈が通らないわけでもない。しかも、その疑惑だって、自分が解明すると言っておいて、解明されるどころか、最初から何もしていないではないか。それこそ、重大な公約違反であり、国民を甘く見ているという証拠である。
 さらに、国葬には当然のことながら、血税が使われるわけで、
「国民のほとんどが反対」
 という世論調査が出ていたのに、強行したということがあったからだ。
 まるで、国民の大多数が反対していたにも関わらず、
「安心安全」
 だけを口にして、まったくその言葉のエビデンスもなく、オリンピックを強行したことで、2カ月後に、ソーリの椅子を負われた、前ソーリと同じではないか?
 一つ違うとすれば、前ソーリの場合は、オリンピック開催から2カ月後に、総裁選。さらには、衆議院の任期満了があったということであるが、今のソーリの場合は、ソーリには幸せ、国民には不幸にも、衆議院の任期が3年あるということであった。
 ただ、実際にソーリの支持率は30%近くまで落ち込んできたので、デッドラインに引っかかるのは、時間の問題だといってもいいだろう。
 さらに、最近では、
「辞任ドミノ」
 というのが働いているようで、
「1カ月で3人の大臣が辞職」
 という前代未聞の不祥事が後押ししている。
 こんな状態で、
「果たして、ソーリを続けることができるのか?」
 ということであった。
 もし、この期に及んで辞任を渋るようであれば、
 まるで、赤ん坊のように、
「泣いてごねれば、大人は許してくれる」
 とでも思っているかのように感じられて仕方がなくなり、そうなると、国民も本当に亡国を感じることになるか。初めて、この国の恥というものを、国の代表である、ソーリから思い知らされることになるというのを思い知ることになるかも知れない。
「考えれば考えるほど、情けなくなってくる」
 と思い、サムは、ツイッターに、思いのたけを書き込んでしまう。
「本当に、どんどん出てくるものだな」
 というほど、描きこむことになるのだ。
 スペースとなると、さすがにここまでのことをいうと、引かれてしまうことが分かっているので、何とか、気持ちを抑えるようにしていたが、ひょっとすると、無意識のうちに呟いているのかも知れない。
 ただ、ツイートではどうしても、過激なことを書いているにも関わらず、
「こんな俺がいても、皆着てくれるんだな」
 と思っていると、何か、気が付けば、スペースが荒れてきているように思えた。
 自分では、ツイートにおいて過激なことを書くくせに、気持ちを表に出してしまうと、スペースを無意識に荒らしてしまうという意識があるからか、一歩下がってみるゆにしていた。
 そのせいもあってか、スペースで、変の盛り上がっているのを見かけるようになると、
「ああ、一歩下がって見ていると、全体が見えてくるんだろうな」
 と、ツイートしている自分と、スペースをしている部分、そして、さらには、
「中の人」
 というリアルな部分から、
「俺って三重人格なんだな」
 ということで、多重人格だと思うようになった。
「ある意味、多重人格という方が楽で、二重人格という方が難しい」
 と、スペースで小説の話になった時、誰かが言っていたのを覚えていたのだった。

                 大団円

 その頃になると、スペースの荒れ方というものを、皆が自覚していて、それぞれに探り合いながらに見えてきた。
 言葉遣いや雰囲気は、前と変わっていないかに思えるのだが、一歩下がって全体を見ると、
「何かおかしい」
 と感じるようになってきた。
 そのことを、参加者の一人一人はどう感じているのだろう。
「普通じゃない」
 とは思っているだろう。
 普通だと思っているとすれば、
「ちょっとおかしい」
 と思えるレベルに感じられるからだった。
 というのも、明らかに、荒れている原因は、一人にあるということが分かっているからだ。
 最初から、その人は、
「この人は、自分が中心にいなければ気が済まない人なんだ」
 ということが分かったからだった。
 確かに、いつもホストをやっている人で、自分のスペースを、明らかに自分のものだという意識でもって運営していた。それでも皆がついてきたのは、
「ここは、出入り自由で、ガチな内容よりも、雑談のようなバカなことをいうところやからや」
 ということを言っていたからだった。
 確かに、しばらくの間は、言葉とスペースが合致していたので、
「これほど楽しいところはない」
 と皆思っていたはずだ。
作品名:時代回顧 作家名:森本晃次