認知症に遠い心の持ち方
その2
相手の心を傷つけてそれに気づかないというのは認知症の域に足を入れている状態だ。相手が嫌な気分になるのが楽しいと思う事自体が正常ではない。
対応として怒っている者には謝るに限る。
私は友達にひどいことを言われた経験が幾度もある。相手はこちらが対抗しないので次から次へと思い出して怒る。脳内に火が燃えているのだ。その人は気の毒な精神状態である。
謝ってやることで相手の脳内の火事を消してやれば、すこしずつ火は消えるだろう。その鎮火してゆく様を静観するのもなかなか愉快なものだ。
完
作品名:認知症に遠い心の持ち方 作家名:笹峰霧子