認知症に遠い心の持ち方
その7
今年の正月は子供達は帰省しなかった。
私は毎年注文していた仕出し屋のお節を頼まず質素なお節を独りで食べた。
フェイスブックの友達や別のsnsの日記には孫子が帰省して、華やかなお節を卓一面に並べて披露しているものがあちこちアップされた。
雪のない生温かい冬の三が日が過ぎた。
将来はどうなるのだろうとの思いがよぎったものの、賑やかなテレビを見たり詩を書いたりして過ごした。順調に行けば次女と孫の二人が帰省してお節をつつき楽しく過ごしていたろう。
こんなこともあろうかという思いもあった。
作品名:認知症に遠い心の持ち方 作家名:笹峰霧子