認知症に遠い心の持ち方
その2
最近認知症の兆しがその言動にちらっと見られる近しい人がいて、その言動を観察しているが、他の友人とは異なる言葉や行動が顕著なので、素人の私でさえ違和感を感じている。
彼女の二人の娘も「母親のことを心配している」という話を本人の口から毎度のように聞く。
本人が言うには、不安な気持ち、ドーンと落ち込む気持ちは、二年前に夫が亡くなったせいと、子供の時から大事に育てられ独りで暮らしたことがないからだそうだ。
会話中に何度も同じことを繰り返して言うのは注意しても一向に直らないからこれも普通ではない。ただ聴く側としてはまことに煩わしいもので、自分の親なら少しぐらい小言を言いたくなる気分だ。
作品名:認知症に遠い心の持ち方 作家名:笹峰霧子