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認知症に遠い心の持ち方

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その5


その後私は半年ほど小学校の助教諭として勤務し、後の半年は大学受験の予備校へ通った。高校卒業後六年目にしてやっと他県の大学へ入学することができた。入学していた音大には行けなかったが、英文科を志望して四年間時々病気もしたが頑張って卒業した。

その頃叔母の美容院がうまく行かなくなっていることをちらっと聞いていた。
これまで医師の叔父と母が資金を援助しながらやっていたようだ。

叔母の旦那が釣りに出かけたまま死んでいたということを聞いたのはその頃だったと思う。あまりその後のことに記憶がないというのは、叔母の旦那を実の息子が引き取りにきて、叔母は籍も抜かれて葬儀もそちらでしたのではないかと思われる。
長年連れ添った夫と突然切り離された叔母は、今思えば辛かっただろうなと思う。美容院はたたみ、母の紹介で箱根の強羅で仕事をしたり、精養軒という美容院にも就職したらしいが、どちらも続かず、地元の保育園の先生として勤めていた。