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「最近のアイドルって、皆同じ顔に見えて区別がつかないよ」
「ああ、何十人もの人数がいるアイドルグループがあったね。あれを全部識別して名前もしっかり覚えていた日が懐かしいよ」

こんな話が最初の新世代人と言われる年代の者から聞かれるようになった。
いつの間にか平均寿命が60そこそこまで下がった人類。年代構成比のグラフは理想的ともいえるピラミッド形を維持していた。

政治も経済も無駄ない働きをしていた。数字的にはちょっと前の時代、あれだけあった国家間の戦争も影を潜めた。気分的にはもうそれは化石に近い出来事になりつつあった。

しぶとく生き残っている80代の旧人類たちは、もうかなりの少数になってしまったが、この流れを食い止める気力も無い。もうすでに、自分の孫と他人の子供との区別がつかないのはボケではない。似すぎているのだ。ましてひい孫の子供ともなれば……。