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ショートショート まとめ

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菊はありったけの知恵を使い、求婚者に達成不能の条件を出した。これがが達成できたら結婚許諾をしましょうと。

予想どおりにそれらは、無理なことで皆肩を落とし帰って行った。
竹は、その後【この人ならと自分で決められる】男と結婚して幸せになったかに見えたが、あることを思い出し、次第に浮かない顔をするようになった。
  
桃色の霞の中のようだった竹の頭の中がだんだんとクリアになってきて、竹はあたりを見回した。部屋中に脱ぎ捨てられた着物や書物。障子戸越しに感じる外は暗そうだった。気がついて襖をそうっと開けて見た。その男は寝ているようだった。竹は「さようなら」とそっとつぶやくと音を立てないようにそうっと家を出た。

満月の光で薄明るい。すーっと円盤形の乗り物が降りてきて、扉が開いた。竹は中に入る前に何気なく後ろを振り返った。

茂作と菊がぽかんとした顔を竹を見ていた。
竹は二人に笑顔を見せて軽く手を振った。
静かに扉は閉まって、円盤はふわっと宙に浮き、スーッと姿を消した。

「どうでした。時間旅行スペシャル企画『かぐや姫体験完全版』は?」

「何だかしっくりはまりましたね」

「ほうほう、どんなところが?」

「片付けられない、決められないというところが。私、かぐや姫の子孫かしら」