悠々日和キャンピングカーの旅:⑳信州・東北(気まま過ぎた旅)
■FMラジオの女子アナとの10年振りの再会
長年勤めた会社の定年退職後は再就職せず、セカンドライフを「人生のボーナス期」と決めた。
実年齢より若い健康年齢を維持しながらも、元気に動けるのはあと15年くらいか、だったら、今を楽しまなくては、との気持ちが、その理由だった。
仕事をしていた頃の「キャンピングカーの旅」では、「能登半島」の旅が最長の3泊4日だったが、これからは、帰宅期限のない長い旅に出られる状況になった。
そして2021年2月、北関東の旅のつもりで自宅を出発した2日後、千葉県の友人と会った後は、太平洋岸を旅したくなり、これまでの旅の最北地の茨城県の鹿島神宮を通過して、太平洋に沿って北上を始めた。
茨城県大洗(おおあらい)の「サンビーチ」で目にしたのは、「津波到達地点」が書き込まれていたビーチの看板で、今から北上するエリアは津波の被災地だったことを思い出した。
太平洋岸の幾つもの「津波伝承館」を訪ねるうちに、10年前に取材した「石巻ラジオ」の女性アナの方に再会したくなり、サプライズ的に放送局を訪ねることにした。
JR石巻駅近くの「石巻ラジオ」を訪ねたが彼女はおらず、30kmほど北の登米(とめ)市の「はっとFM」でアナウンサーをやっているとのことだった。
翌日、「はっとFM」で、10年振ぶりに彼女と再会できた時は、古くからの友人のように思え、話が弾んだ。その頃、彼女は「東日本大震災から10年」という特別番組の準備をしており、私が復興地を見ながら北上してきたことから、二人の会話がいきなり「私へのインタビュー」に切り替わり、後日、その内容がFMの電波に乗った。
その音声データがメールで届いたことがきっかけで、彼女がパーソナリティを務める番組「Saturday Nova!(サタノバ)」に、「おたより」を送り始めると番組内で扱ってくださり、毎週土曜日は、どこにいても、この番組を聞くようになった。
少し長い経緯の説明になってしまったが、これから始まる「キャンピングカーの旅」の紀行文は、「はっとFM」の「サタノバ」に送った幾つかの「おたより」を加筆修正したもので、これまでの紀行文とは全く異なるスタイルに挑戦してみた。