どんな心理なの
その3
その後の癌の症状はかなり速く進んでいるようだった。
私は声を掛けるのも辛かった。胃ろうをしている写真が送られてきた。
ただ胃ろうをして元気に回復する人は少ない。
というのは、私の夫の前立腺癌末期には病院食も拒否し、水さえ飲まなくなってベッドに寝かされていたので、胃ろうをお願いして毎日病院へ通って胃ろうをした。家族でないとできないのだそうだ。亡くなるまでリハビリをさせられたのが痛くてとても辛かったらしい。
一方、彼はもうリハビリは出来ない状態で死を待つのみの状態になっていた。
少し余裕があるときにテレビを観て知ったのか、そちらの水害は大丈夫ですかと気遣うメールが来た。
自分が苦しくて殺して欲しいという状態のときでもその気持ちを文字にして送って来た。私はとても辛い気持ちになり、メールを読むと涙がぽろぽろ滴り落ちた。
自分よりはるかに若く元気だった人が病気とわかってからは見る見る内に死へと向かう姿は耐えられないものだった。