悠々日和キャンピングカーの旅:⑨東北太平洋岸(茨城~岩手)
カレーを食べながら思い出したのは、あのCoco壱番屋がカレーの本場のインドに進出したことだった。彼の地では、日本企業の駐在員を始め、裕福なインド人が食べているようだ。カレーの本場のインドに進出した日本のカレーの「その後」を注意深く情報取りしたいと思った。
カレーを食べ終わった後のコーヒーを飲んでいると、再び心細くなってきた。
その状況を紛らわすためでもないが、テレビを見ることにした。スイッチを入れ、チャンネルスキャンをして、設定された幾つかのチャンネルの中から歌番組を選んで見ていると、思い出したのは、中古で購入した「ジル」にはテレビが付いておらず、今に至る苦労してきた経緯だった。
自宅には使っていない古いテレビがあり、それが「ジル」のテレビ台にちょうど合うサイズだったので、ビデオ(iVDR再生機)と一緒に取り付けた。しかし、その取り付け方が対振動には十分でなかったことから、運転中に、テレビが外れて転がったことがあり、改善を要した。
YouTubeで好評な10cmほどの棒状の室内アンテナをネットで購入して接続した。しかし、感度が悪く、チャンネルスキャンが十分ではなかった。自宅周辺の電波は弱いのか、YouTubeの撮影場所の電波が強いのかは分からないが、いずれにせよ、この室内アンテナは不適だと結論付けた。
したがって、屋外設置用のアンテナを取り付けることにした。そのための検討すべき内容は多く、たとえば、アンテナの選定、その設置方法、アンテナコードの車内への引き込み方法など、全てが初めての事なので、時間も費用も良く分からないが、やるしかないと決めて始めた。
「キャンピングカーの旅」は日本中で車中泊するため、“最寄りの地デジ電波塔の場所”が日々変わる。そのため、毎回、テレビのチャンネルスキャンをしなければならないが、それは、それほど手間ではない。その際に重要なのはアンテナの向きだ。八木式アンテナ(魚の骨のような形状)は指向性があるため、キャンピングカーを停めた場所で、アンテナを“地デジ電波塔の場所”の方向に向けなければならないが、キャンピングカーの先輩オーナーの話では、それがかなり厄介とのことだった。
無指向性のアンテナがあるものの、それはかなり高価で、受信感度レベルが良く分からない。それでも、色々と調べ続けると、受信感度の信頼性が高くて安価なものがあり、それをネットで購入した。
実は、アンテナの選定のために、家電量販店やホームセンターでの現物確認とスタッフとの会話、アンテナのしくみの勉強、ネット検索等にかなりの時間を費やした。その結果、この無指向性のアンテナの購入に至った。ちなみに、その形状から、UFOアンテナと呼ばれているようだ。
自宅に届いた段ボール箱を開けて組み立てると、確かにUFOの形をしていた。
試しに、このアンテナをテレビに仮接続して、初期設定やチェンネルスキャンをしたところ、自宅のテレビと同様のチャンネル設定ができたことで、一気に、このアンテナの私の信頼レベルがアップした。
次は、このアンテナをどうやって「ジル」へ取り付けるのかだが、屋根に穴を明けて取り付けるのは、果たしてうまくゆくのか? 上手くいかなかったら、雨漏りのリスクもあるため、色々と検討した結果、「ジル」の後面のラダー(屋根に登る梯子)の縦木(支柱)と平行にポールを設置し、その上端にアンテナのステーを取り付けることにした。
現物合わせで寸法を決めた。屋外に設置するため、防錆材料の選定や振動防止などを考慮するのがかなり厄介だった。加えて、その取り付け作業はかなり手間が掛かり、やり直さなければならなかったこともあったが、それでも、屋根の後方にアンテナを取り付けることができた。その結果、「ジル」の車高が3.3mになってしまったが。
最後に、アンテナ線をダイネットへ引き込む方法だが、ルーフベントから入れ込むことにした。その結果、ダイネット内のファンの外枠を多少削る必要はあったが、無事に引き入れることができた。
以上、かなりの時間を費やしたものの、安価で済ませることができ、地デジが映るようになった。この結果にかなり満足した。そして、今回の旅に出て、旅先でのチャンネルスキャンは必須だが、テレビが映ると、ひとり、悦に入ってしまう。
テレビを見ていると少し寒さを感じたので、FFヒーターを作動させると、直ぐに暖かくなり、FFヒーター様様だ。明朝のサブバッテリーの充電残量が気になり、途中から「ジル」のエンジンを掛けた。周りには他のクルマはないので、迷惑にならない。
パジャマに着替えて、FFヒーターを切って、バンクベッドの布団の中に潜り込むと、不安感はどこかへ、直ぐに深い眠りに入った。
【本日の走行距離】116km