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殺人前交換の殺人

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「分かっているは、無視しているのか?」
 のどちらかであろう。
 ただ、どっちであっても、政治家としては致命的であり、そんな政治家の無能を、はたして有権者が分かっているのかどうかが大きな問題となるのではないだろうか?
 もう一つ言えることとして、
「だからと言って、今の政府を交代させたとしても、一体誰がこの窮地を救ってくれるというのか?」
 ということになる、
 下手をすれば、もっとひどいやつが、ソーリになるかも知れない。
 何といっても、
「今のソーリは最悪で、誰に変わっても、これ以上ひどくはならないだろう」
 と思っていたことで、考えてみれば、その期待がどれほど裏切られてきたのだろうか?
 期待というのは、実は願望であり、最初から、
「政治がよくなる」
 などというのは、夢幻に過ぎないということだったのではないだろうか?
「そんな妄想を抱いてしまうから、ちゃんとしたリーダーを選ぶことができず、ああ、またかという落胆を繰り返すことになるのかも知れないな」
 と感じることになるのだろう。
 ここ、数代のソーリというと、
「ただ、長いだけで、疑惑塗れだった」
「自分のわがままを押し通し、国民の命を何とも思っていない、史上最低のオリンピックを演出した」
「自分の人気取りのために、海外に血税をばら撒いて、総裁選の時の公約を一切果たそうともせずに、ただ、自分の保身だけのためにソーリにしがみつく」
 と言った、そんなロクでもない人間がソーリをやっていたのだ。
 そんな政治家が、このパンデミックで、権力も強制力もないのだから、統率力が生まれるわけもない、そんな連中に愛想を尽かしている国民がどれほどいるのか、本当にこの国は終わってしまうといっても過言ではないだろう。

                 映像と音声

 やはり、最近では、なかなか外出することもないので、聞き込みを行っても、思うような成果は得られなかった。
 そんな中で、表に、出前を頼んだのか、容器が置かれている家が散見されることに、刑事も気が付いた。
 最初はさすがに、そんなに意識はしていなかったが、階を進むごとに、つまり、階が上がっていくごとに、その数が増えてくるのを感じた。
「なるほど」
 と一人の刑事が自分だけで納得したが、隣にいた刑事も、相棒にいきなり納得されてもビックリするだけで、
「どうしたんですか?」
 と聞くしかなかった。
「いえね、この出前の多さは、昨今のパンデミックのせいではないかと思いましてね」
 というと、もう一人の刑事もそこまで聴いて、すぐに理解した。
「なるほど、表に出て買い物にいけないから、ウーバーイーツだったりの出前が多いということか」
 というではないか。
「そうなんですよね。昔の出前というと、その店のものしかダメだったけど、今はネットで注文もできるし、配達会社の会員になることで、誰でも利用できるというわけですよ。しかも、今は、配達員がものを集まてきて、ファーストフードの、テイクアウトをそのまま持ってきてくれるということだから便利ですよね」
 という。
「うん、俺なんか、ドライブスルーがあるのに、最初はビックリしたが、今では、自分で物色しなくても、カタログや注文サイトで確認して、ハンバーガーや、ピザなどのテイクアウトをメニュー選択すれば、配達員が持ってきてくれるというのだから、本当に便利だよな」
 ともう一人の年配の刑事が言った。
「そういう意味では、そういう配達員お人なら、何か知っているかも知れませんよ?」
 ということだったので、聞き込みが終わって署に戻ると、さっそく報告し、捜査を願い出た。
 その頃には、署内で捜査本部も出来上がっていて、いよいよ、本格的な捜査体制が組まれるということになったのだった。
 捜査本部では、本部長と、実質的な捜査員を取りまとめ、司会進行を行うというところで、実質的なリーダーとしての、
「門倉警部」
 が、取り仕切ることになった。
 そして、現場の責任者としては、
「桜井警部補」
 が任命され、
「門倉、桜井」
 というコンビが、捜査本部で君臨することになった。
 二人は、まだ桜井が刑事時代からの、
「名コンビ」
 と言われ、捜査本部などでも、そのコンビがうまく機能することで、難事件を解決してきたということであった。
 今回もこのゴールデンコンビに、署長をはじめ、まわりも期待していた。
 ただ、まだこの時点では事件としては地味なものであり、それ以上に、事件の内容を知った人は、
「これは地味な事件だな。少しずつしか解決に向かわないのではないか?」
 というのが、マスゴミの意見で、
「地味で、あまり記事を期待できない事件」
 として、見られるようになった。
 だが、実際には、他に大きな事件があるわけではないので、えてして、警察版のマスコミは、少し慌ただしくなっていたようだ。
 中には、
「警察のミスや不祥事」
 と言った負の部分のあら捜しをしようとしているマスコミもいるようで、
「それこそ、マスゴミだな」
 と言いながらも、報道の自由というものを持ち出されると、どうしようもなくなあるのであった。
 二人は、宅配の人を考えた。ここに出入りしている宅配業者の人を聴いてみると、定期配達を行っているという、F運送の人に話を聴きに行くことにした。
 捜査本部では、まずは、
「宅配業者から、情報を得る」
 という表の捜査と、
「防犯カメラの映像」
 という地味で疲れる捜査の二手に別れた。
 表の捜査とはいえ、リアルに歩いて捜査をするという意味で、表も人海戦術が必要なはずなのに、それができないのは、辛い気がした。
 まずは、辰巳刑事を中心とした二つのグループが表の捜査に当たることになった。
 辰巳刑事としては、まず自分ともう一人の刑事で、、
「F運送の宅配員に聞き込みを行う」
 ということと、もう一方では、
「第一発見者の新聞配達員に再度話を聴きに行く」
 ということであった。
 新聞配達員には、あの時、ほとんど、情報が聞けなかったことでの、念のためということであった。
「辰巳刑事は、あの新聞配達員が何か気になるところがあるんですか?」
 と、相棒の刑事に言われて、
「うん、そういうハッキリとしたものはないんだが、何か、気にはなるんだよな。やつが最初に発見したというのがね」
 というので、
「でも、それは普通なんじゃないですか? 死亡推定時刻は、深夜の時刻が変わる頃だというではないですか?」
 というので、
「確かに、犯行現場があそこであったのかどうか分からないところが気になるんだよ」
 と辰巳刑事が言った。
「そんな形跡があるんですか? でも、それなら余計に、犯行時間よりも、さらに後ろになってからあそこに死体があることになるのだから、それだけ、発見される時間が短いということになって、発見されにくいのでは?」
 ということであった。
作品名:殺人前交換の殺人 作家名:森本晃次