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タマゴが先か……

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 果たして、二人に最初から意識があって、惹かれ合うようになったということなのだろう?
 そう、景勝と景虎は、いつの間にか、ゲイの関係にあった。
「男色、衆道、ホモ」
 と言われる関係だ。
 そもそも、戦国武将の名前を呼び合うようになったというのも、どこか、その気があったのだろうか。
 当時の群雄割拠の時代において、戦国大名のほとんどは、
「男色、衆道」
 だったというではないか。
 それを考えれば、無意識とはいえ、やはり、戦国大名に興味を持った時点で、あの三人の運命は決まっていたといってもいい。
 では、ここで、光秀が復讐を考え、それを後押しする形で、鹿之助が存在しているとすればどうなのだろう?
 復讐を計画し、ここまで大げさな舞台を作っておいても、進むべき3人の道は、さほど変わるものではない。
「ムダだった」
 とはいえないが、しいていえば、
「タマゴが先か、ニワトリが先か?」
 ということである。
 要するに、考えることをしなければ、永遠の謎となるだろうが、問題意識を持つこともないということになる。しかも、この話において、鹿之助は、物語において、
「関係のない人間」
 という立ち位置を持っていた
 きっかけというのは、何であっても、結果に変わりはないということになるのであった……。

                 (  完  )
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作品名:タマゴが先か…… 作家名:森本晃次