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さよなら、カノン

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大型玩具店の店内
カート置場にポップにデザインされたカートがあるのを見て小躍りするカノン
両脇に何種類もの玩具が大量に積まれている通路をカノンを乗せたカートが疾走する
大小様々な大きさのビーズクッションが試用体験できるスペースで転げまわるカノン
多種多様な動物やキャラクターのぬいぐるみが陳列されている売場で思案するカノン
大型玩具店の軒下で雨に霞む平面駐車場を眺めるカノンと実穂子
大きな白い犬のぬいぐるみを抱えているカノン
実穂子のサーブは少し離れた場所に停まっている
天空を埋め尽くす雨雲が一瞬白く明るく輝く

実穂子 「行くよ」

雨に濡れるのも構わずサーブに向かって歩きだす実穂子
実穂子を見失うまいと冠水しかけてきた駐車場に足を踏みだすカノン


雨が降りしきる高速道路を走るサーブ
神妙な面持ちでハンドルを握る実穂子
白い犬のぬいぐるみを抱いて助手席で寛ぐカノン

実穂子 「疲れたら寝てもいいんだよ」
カノン 「ううん、大丈夫」

高速道路を降りて田畑を貫く農道を走行するサーブ
T字路に建つ道路案内版の”神楽沢ダム”の表示をかろうじて読み取りハンドルを切る実穂子
やがてカーブの多い山道を登坂するサーブ
ワイパーがフル稼働しているが降る雨で視界が遮られる
山肌をつたって茶色い水が道路に流れ落ちる
時折カーブでハンドルを取られそうになる実穂子
それでもアクセルペダルを踏み続ける実穂子

作品名:さよなら、カノン 作家名:JAY-TA