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さよなら、カノン

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コートサイドに並んで立つ監督とアナウンサー
アナウンサーからインタビューを受ける監督
両者のやり取りをハンディカメラで撮影する若いカメラスタッフ
観客席に設置されたブースでカメラ映像をモニターする正樹の部下小曽根
ヘッドセットをした小曽根は左前腕にギブスを巻いている

アナウンサー「では監督、最後に入れ替え戦への抱負をお願いします」
監督  「やっとここまで来れました。選手は日ごとに成長しています。これからも応援よろしくお願いします」

観客席を陣取る関係者から拍手喝采が起こる
観客席を見渡し上段通路にいる正樹を見つけて手を振る監督
監督を最後尾にして選手たちがコートを去る

アナウンサー「ではまた次回お会いしましょう」

撮影カメラの赤いランプが消える

小曽根 「はい、OKです」

ギブスを巻いた腕を持ちあげて正樹を振り返る小曽根
手すりから身を乗り出して小曽根に親指を立てサインを送る正樹
宮田がファイルを抱えて正樹の元にやってくる

宮田  「とりあえず終わりました」
正樹  「お疲れ様でした」
宮田  「小曽根、どうでした?」
正樹  「よかったんじゃないですか。次も任せられそうだ」
宮田  「褒めすぎですよ、チーフ。あいつすぐつけあがりますから」

笑顔になる正樹と宮田

宮田  「ダイジェスト版チェックして行かれますか」
正樹  「あ、それ宮さんにお願いしたいんですけど」
宮田  「え、どうして?」
正樹  「きょうは早く帰るって娘に約束しちゃったから」
宮田  「そうですか・・・そうですよね。カノンちゃんどうしてます?」
正樹  「もう、やんちゃ盛りで」
宮田  「かわいい盛りじゃないですか」

体育館の天井を叩く雨音が強まる
壁面のハメ殺しのガラス窓に雨だれが幾筋も流れる
ガラス窓を振り返る正樹と宮田

宮田  「降ってきましたね」

携帯電話の画面に表示される実穂子の名前
屋根がある体育館通用口の外で雨を避けながら携帯電話を握る正樹
呼び出し音が鳴り続ける
雨空を見あげ表情を曇らせる正樹

作品名:さよなら、カノン 作家名:JAY-TA