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さよなら、カノン

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社会人女子バスケットボールの試合が行われている体育館
スタンド席に仮設された実況席でマイクに向かって試合の模様を実況するアナウンサー
実況席の斜め下でヘッドセットを首にかけクリップボードを手に実況席に指示を出す吉川正樹
正樹のズボンのポケットで携帯電話が振動する
片手で携帯電話を操り発信者をチラ見する正樹
”実穂子”
ポケットの奥に携帯電話を押しこみ仕事に集中する正樹
ゲーム終了のホイッスルが鳴る
少ない観客席から歓声が沸きおこる


パトカーの回転赤色灯が建物壁面に反射するスーパーキナリヤ駐車場
パトカーの無線機を手に交信する足高署刑事藤原恭造
駐車場内に残っている車の車内を覗いて回る藤原の部下青木刑事

アナウンサー「ではまた来週お会いしましょう」

静かにカフを落とすアナウンサー

正樹  「(一拍置いてアナウンサーに)はい、OKです」

正樹からの合図に笑顔で返答するアナウンサー
携帯電話を握りながら通路に出る正樹

正樹  「実穂子? どうした?」
実穂子 「カノンが・・・」


スーパー周辺道路にもパトカーと制服警官
スーパーのバックヤードを捜索する青木と警備員B
スーパーの警備室では藤原と警備員Aが防犯カメラ映像をチェックする
スーパーのエントランスの隅で実穂子がスマートフォンの通話を切る
実穂子の傍らに立つ女性警官福住愛子が実穂子に尋ねる

福住  「ご主人、戻って来られる?」

深い溜息をつく実穂子
泣きそうになるのを堪えながら

実穂子 「あの子を探しに・・・」

場を離れようとする実穂子を福住が引き留める

福住  「吉川さん、待って。お気持ちはわかりますが、いま、我々が総動員で捜索しています。何か見つかったらここに(耳のイヤホンを指す)入りますから」

立ち止まって幼稚園帽子を握りしめる実穂子


警察官と店舗関係者がひしめく狭い警備室で防犯カメラ映像を見ていた藤原が色めき立つ

藤原  「あ、いまの。女の子じゃないか」

動画を数分前に戻し再生する警備員A 
モニターに注がれる多くの視線
モニターに駐車車両の間をちょこちょこと歩くカノンが一瞬映る

作品名:さよなら、カノン 作家名:JAY-TA