さよなら、カノン
福住 「あら、切られちゃった」
藤原 「実穂子さん、何だって?」
福住 「来れないって。出たくないって」
藤原 「どうなってんだ。あれだけ熱心にカノンちゃんを探していた母親が」
医務室から女医が廊下に出てくる
藤原 「先生、お疲れさまです」
女医 「軽い脱水症状が見られますが、心拍体温など数値に異常は認められません。目立った外傷もありません」
藤原 「ああ、よかったぁ。それで・・・」
女医 「血液型は一致しました。身体的特徴も。簡易DNA検査は2時間程で結果が出ます」
藤原 「カノンちゃんだ。どこをどう見てもカノンちゃんだよ。本当によかった」
福住 「はい、本当に。でも・・・」
藤原 「あ、母親が来れないってやつか・・・。いろいろあって疑心暗鬼になってるんだろう。福ちゃん、旦那の連絡先わかるか」