さよなら、カノン
カラスが啼く夕暮れ時
紙袋に差出人無記名の郵便物などの紙束を詰めこむ実穂子
紙袋を提げて玄関扉をそっと開けて屋外に出る実穂子
鉄の門扉にA4の紙がテープ止めされている
A4の紙には
”自首しろ” の文字
A4紙を門扉から剥ぎとり紙袋に入れる実穂子
郵便受けのフタを開け複数の郵便物を紙袋に落としこむ実穂子
封書の表に宛名すらないものもある
紙袋をサーブの助手席に投げ入れる実穂子
足高署の車寄せにサーブが停まる
玄関に立ち実穂子を待ち受けている福住
車から降り紙袋を提げて福住と対峙する実穂子
怒りと恐怖とやるせなさと様々な感情が入り乱れる実穂子
福住 「大丈夫? 実穂子さん」
実穂子の眼が潤む
無言のまま紙袋を福住に手渡す実穂子
福住の呼び止めを振り切ってサーブを発進させる実穂子