小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

五感の研究と某国

INDEX|1ページ/23ページ|

次のページ
 
 この物語はフィクションであり、登場する人物、団体、場面、設定等はすべて作者の創作であります。似たような事件や事例もあるかも知れませんが、あくまでフィクションであります。それに対して書かれた意見は作者の個人的な意見であり、一般的な意見と一致しないかも知れないことを記します。今回もかなり湾曲した発想があるかも知れませんので、よろしくです。また専門知識等はネットにて情報を検索いたしております。呼称等は、敢えて昔の呼び方にしているので、それもご了承ください。(看護婦、婦警等)当時の世相や作者の憤りをあからさまに書いていますが、共感してもらえることだと思い、敢えて書きました。ちなみに世界情勢は、令和4年7月時点のものです。

                 嗅覚の研究

 人間というのは、好きな臭いと嫌いな臭い、どちらも感じることができる。たぶん、動物もそうなのだろうが、言葉が喋れないので、
「臭い!」
 と叫んだりはしない。
 ただ、なるべく近づかないようにしながら、警戒はする。臭いによって、感じるものもあるだろうからである。
 ちなみに、
「におい」
 という言葉を漢字で書くと、
「匂い」
 という字と、
「臭い」
 という字になる。
 前者の、
「匂い」
 は、基本的にいい匂いなどの時に使う言葉である。
 別の言い方をするならば、
「香り」
 という言葉でも表されるであろう。
 芳香剤ななどのような、甘い香りであったり、柑橘系の香りなど、甘い香りはそのままで十分なのだが、柑橘系の場合は、ちょっと嫌な臭いを中和する感覚の時に、使うものだと思っていた。
 だから、逆に、同じ芳香剤でも、トイレのちょっと酸味の強い臭いの場所で、ローズなどの甘い香りを漂わせると、きつい臭いが勝ってしまうことで、甘い香りが却って、臭く感じられてしまうのではないだろうか?
 そういう意味で、柑橘系のような香りは、酸味にうまくマッチして、臭いを中和してくれる。
「きつい臭いには、きつめの臭いでしか対応できない」
 ということになるのだ。
 芳香剤などの、いい香りの時には、
「匂い」
 という言葉を使うのだ。
 逆に、臭いがきつい時、気持ちのよくない匂いの時はなんというだろう。
「くさい」
 というではないか。
 これを漢字で書くと、
「臭い」
 になる。
 つまり、気持ちのよくない、不快に感じる臭いというのは、
「臭い」
 と書くのである。
 汚物の臭い。工場などの産業廃棄物、さらには、人間や動物の体臭など、いろいろな悪臭というものがある。
 それを中和するような芳香剤であったり、臭い消しのような化学製品が、一杯開発されている。
 ただ、だからと言って、
「臭いもの、すべてを否定する」
 というのはどうなのだろう?
 害虫などが寄ってこないようにするために、わざと、悪臭を放つということも、普通にやっていたりする。悪臭も、使いようによっては、いろいろあるということだ。
 そんな臭いについて、研究しているところがあるという。それも、国家が絡んでいる研究所で、ある意味、国家の重要機密に値するところで、本来は日本には関係のないことなのだが、某日本の同盟国から、要請されてやっていることだった。
 いや、要請などという生易しいものではない。半強制的で、完全に主導権は向こうに握られている。
 しかも、国民はおろか、政府内ですら、知っている人間はごく一部という、そんな組織だった。
 なぜ、そこまで極秘にするのかというと、それが、明らかな軍事目的の組織だからである。この組織において、ほとんどの作業や案件は国家機密である。
 それ以前に存在自体が国家機密で、ただ、ウワサというのは、存在するもので、まるで、中学の頃などにあった、
「学校の七不思議」
 に近いものがあった
 それと似た感覚が、政府の中にあり、どこかきな臭いものが、漂っていた。
 もちろん、研究員は、政府に関係のない人間たちで、いろいろな大学から、より優れた人たちを集めた、超エリート集団なのだ。
 中には、ノーベル賞候補と言われる人もいて、上司の中には、ノーベル賞受賞、あるいは、同等の栄誉を持った人がたくさんいた。
 ただ、相談役という名目で、非常勤の取締役となっている人に、政府の要人がいたりした。
 だが、それも、無理もないことであり、ある程度徹底された組織になっていた。
 それもそのはず、この組織の実質的な運営は、某国の軍部である。
 ある意味、この組織は、
「某国軍部の直轄」
 といってもいいかも知れない。
 だから、日本政府も口出しができない。
 しかも、この組織の運営資金のほとんどを拠出しているのが、日本政府ということで、どれだけ理不尽な組織かということは分かるというものだ。
 その国家予算の名目は、
「国防費」
 であった。
 ただ、国防費だけであれば、あまりにも巨額な金額を国防費として計上しなければならず。さすがに、そこまではできない。
 そこで、某国との話の中で、
「日本が、わが国から輸入する兵器を、計上から、かなり安く購入できるようにしましょう。その差額を、研究所の運営にあてればいい」
 という提案が某国国防相からなされた。
「それはありがたい」
 ということで、政府の研究所維持団体からは、二つ返事で了承された。
 だが、これだけでも拠出できるものではない。何とか政府の予算だけではなく、党の政治資金からも拠出されるのだが、ここが面白いところで、政府としては知らない人も多いのだが、実は、党の方では、知っている人が多いのだ。
 つまり、党の政策として、このプロジェクトは成り立っているのだ。
 政府を当て医できないのであれば、党に頼るしかない。某国の軍部が眼をつけたのは、日本の、
「政権与党」
 だったのだ。
 実は日本は、最近まで、他の党の組織票というものを当てにして、
「連立政権」
 を確立していた。
 その党は、ある宗教団体を母体にしていて、信者だけでなく、労働者などの票も持っていたので、
「よほど、母体が問題でも起こさない限り」
 組織票というものは、固定票だったのだ。
 それを当てにした与党第一党と、組織票だけでは、どうしても与党にはなればいので、
「連立でもいいので、与党として名を連ねたい」
 ということであろう。
 それぞれの党の利害が一致し、与党による独裁がずっと続いてきたのだ。
 ただ、それだけ、与党第一党とはいえ、
「連立でなければ、過半数維持は難しい」
 ということであろう。
 それだけ、今まで政治が流動的だったということもあり、さらには、スキャンダルや、大問題となるようなことを、頻繁に起こしてきて、政府を信じられないと思っているという人も多いということだろう。
 つまり、それだけ、国民の政治離れが進んできているということで、実はこれは、政権与党としてはありがたいことであった。
 口では、
「国民の政治離れを何とかしないといけない」
 といってはいるが、実は、彼らには組織票があり、必ず入れてくれる最低限の票はあるのだ。
作品名:五感の研究と某国 作家名:森本晃次