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最後のオンナ

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 誰が好きなのか、自分を好きなのは誰なのか?
 これが、恋愛であったり、自分のプレイの本質なのかも知れないと思ったが、これは、普通の恋愛でも同じことなのだ。
 異常性癖であっても、自由恋愛であっても、行き着く先が同じなら、過程での感情も同じ、つまり、
「目指しているものが同じだと感じると、その先に同じものが見えていることくらい、すぐにわかるというものだ」
 ということなのだろう。
 そんなことを考えていると、
「隠れている最後のピースが、近いうちに現れるのではないか?」
 と考えるようになるのだった。
「女を凌辱するということが、こんなに楽しいことだったなんて」
 と思うようになり、自分の抑えが利かなくなってきた。
 最初は、
「少しだけ、自分の立場がよくなれば、ただそれだけでよかったんだけどな」
 と思っていたが、オンナというものが、これほど、凌辱を求めているものだとは思ってもみなかった。
 もちろん、女の全員が全員、そんなことはないのだろうが、少なくとも、まるで自分がアイドルにでもなったかのように、自分の固定客から、
「推し」
 ということで、おだてられたら、まるでアイドルになったかのように思うのも無理はないだろう。
 しかし、そんな中で、
「誰か一人に尽くしたい」
 という気持ちが強いのもありえることであった。
 それが、女心というのか、レズビアンでありながら、本人は、
「私は両刀なのよ」
 というだけ、男に尽くすということも、ハンパではなかった。
 しかも、話をよく聞いてみると、ルナと知り合いのようだった。どうやら、ルナにレズを仕込まれたかのように言っているが、何とでも言えることで、ひょっとすると、ななせの方が、自分の方からルナを虜にしたのかも知れない。
 勝沢が感じるところ、
「果たしてどっちが?」
 というのは難しい。
 どちらも、
「男にもオンナにもなれる」
 という意味で、どちらも両刀なのかも知れないと思うのだった。
 そのおかげで、最近は、ルナに対しても、勝沢は、食指を伸ばしている。
 ルナに関しては、ルナの方から寄ってきたのだ。
 どうやら、勝沢が、ななせという、
「自分のオンナを手に入れた」
 ということを感じたのだろう。
 しかし、まさか、それが前の自分のレズ相手だとは、夢にも思っていないはずだ。
 そんなルナは、完全に勝沢の言いなりだった。自分から言い寄ってきたのだから、それもそうだろう。
 だから、もう、お店にも行っていない。もし、これがルナという女が、レズだということを知らず、さらに、究極のM女だという状態なので、飽きることはなかった。
 ななせに対しても同じだった。ななせには、元々、
「弱みを握っている」
 というのがあった。
 二人の女を、しかも、お互いに知り合いなのに、
「まさか、お互い一人の男に凌辱されているとは思ってもいないだろうな?」
 と考えることで、これほどの快感が得られるとは思ってもいなかった。
 別にお互いを騙しているわけではない。何も言わないのは、騙しているのとは違うだろう。
 しかも、二人とも、充実した毎日を送っているという。それはあくまでも、男の側が聴いたことで、女の方は、そう答えるしかないのだろうが、女の性がそこにあるのだとすれば、男として、
「二人のオンナを飼っている」
 という感覚になり、自分がここまでサディスティックだったのかということを思い知った気がしたのだ。
 完全に、勝沢は自分に酔っていた。ハーレムもいいのだろうが、飼っているオンナが知り合いなのに、お互いに、惹かれている男が同じで、一緒に凌辱されているということを知らないのだ。
 勝沢は、二人に、
「レズ禁止」
 を言い渡している。
 ここで、二人が会ったりして、自分のことをバラされると、せっかくの関係が壊れてしまう、
 だが、本当はそれでもいいと思う自分と、もったいないと思う自分がいる。
 ここまでできるのだから、もっと自信をもって、他のオンナを自分のものにしてもいいのではないかとも思うのだ。
 ただ、そんなことをしているうちに、いや、前から変わらず、勝沢は、風俗遊びを辞める気はなかった。
 そのことは、二人のオンナも分かっているようで、
「あくまでも私は、ご主人様に飼われている立場なので、文句はいえません」
 といっていた。
 そういう意味で、自由に動けるのだった。
 そのうちに、勝沢は、ルナが辞めた店に、今度は別のお気に入りの女の子を作って、遊びに行っていた。
 ルナが、そのことを知ることはないだろうと思っていた。
 ルナは、店を半分逃げるようにして辞めた。それは、勝沢を追いかけてなのだが、彼女のプライドから考えて、そんなことを店に知られるようなことはしない。だから、勝沢も気楽に店に通うことができるのだ。
 その店において、勝沢は、その女を見た時、ショックを覚えた。ぼかしが入っていても、胸の鼓動が止まない。
 その女は、勝沢を骨抜きにしていた。しかも、彼女はその天性の勘からか、
「この男は、複数のオンナを飼っている」
 ということが分かったのだ。
 そして、彼女が抱いた関係は、ちょうど、
「三すくみ」
 という関係だった。
 それでは、どこかバランスだけで成り立っているように思えたことから、
「だから、今度は私がこの男を飼ってやろう」
 と感じるようになったのだった。
 この様子を傍から見ている人がいると、彼女のことをきっと、
「リーサルウェポンだ」
 といえるだろう。
 そうまるで、神々からいろいろ送られることで、人間界に不幸をもたらすためにやってきた、
「パンドラ」
 のようではないか?
 そう、勝沢にとって、彼女は、
「パンドラのようなもの」
 であった。
 そして、彼女の登場は、実は最初からであり、話の端々で出てきていたのを、誰も気づいていなかった。それがフィクションというものだろうか?
 そういうストーリーを、頭の中で描いている人物がいた。
 それが、前作品から続いている、
「マサムネ」
 の作品だったのだ……。

                 (  完  )
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作品名:最後のオンナ 作家名:森本晃次