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満月鏡

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僕は、6年前からボランティアで公共の公園の管理をしている。
公共とはいっても 広大な敷地の公園ではないが、この地域での暮らしの真ん中にあるような・・・ 高齢者のゲートボール。子ども会の催し。町内の夏祭りやクリスマスにはツリーのように樹木に電飾点灯。等々 特別な事ばかりではなく日常的にも人の利用がある所だ。

ボランティア始めるきっかけといえば、できた頃は殺風景だった公園も樹木が育ったように 周辺の雑草が歩道を邪魔するようになったのを 区会に申し出たことだった。
返答は、人員がいない。経費が出ない。お決まりの台詞。
「ならば私が・・・」と口をついて出てしまったのだ。
始めてみれば、雑草も生えるが 小石も浮き出ていたり、ゲートボールの杭を打ち込んだ穴が窪んだままになっていたりと 『御使用のお願い』の小さなボードに書かれたルールも留められないほど気も 文字すら薄れてしまっていた。

作品名:満月鏡 作家名:甜茶