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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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夜が訪れるとき 探偵奇談24

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後日。

紫暮は展示会の片付けに出向いたという成瀬から、あの絵が会場からなくなっていてちょっとした騒ぎになったのだと聞かされた。盗難だと騒がれたが、もとより価値のない行き場のない絵である。問題はあやふやになったようで、その後の展開はわからないのだと、成瀬は語った。

あの絵の中の女性は、今も帰る場所を探しているのだろうか。
それとも、帰る場所を見つけ満足しているのだろうか。

紫暮にはわからないが、もう考えまい。

魅入られる、ということの怖さを知ったから。
目を合わせてはいけないものがある。
決して理解できないもの、救えないものもある。弟の言葉が、紫暮にそう思わせる。


あの絵の中の女の、小さく開いたくちびるから、声が零れるところを想像する。


ここが あなたの かえる ばしょ


夜の訪れたあの小さな部屋から。
そう囁きかけてくる声が、聞こえてくるようで。








                            END

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