歴史の証明と、オカルト、SF系とのコラボ
「まさか、そんなカラクリだったなんて」
と思っても、後の祭りなのである。
世の中には、今までの歴史の中に、それを証明することがあったはずだ。少なくとも、詐欺だということに気づいている人だってたくさんいたわけだし、ひょっとすると、出版した人の中には、
「詐欺かも知れない」
と感じた人もいたことだろう。
担当者の話術なのか、それとも、
「皆、本を出されていますよ」
と言われて、集団意識に騙されてしまったのか、歴史が何らかの警鐘を出してくれているのに、気づかないというのは、それだけ、
「歴史を甘く見ている」
ということではないだろうか。
歴史という学問を、苦手だと思っている人が結構いる。特に女性は多かった。今では、
「歴女」
と言われ、
「歴史に興味を持つ女性は、今の時代のトレンドだ」
と言われているが、きっと、
「男女雇用均等法」
などから、女性が興味のなかったものに興味を持つことで、女性も、自分の立場を男性と同じに持ち上げようと思っている人もいるかも知れない。
ひょっとすると、出版したいと思っている人に、女性が結構いたというが、そういう意識の人も結構いたのではないだろうか。主婦が子育てを終わって、趣味を探している。あるいは、最近、ライトノベルなどというジャンルもあったりして、女性作家も結構いることから、
「私にだって」
という思いを抱く人がかなりいたのも事実だろう。
やはり集団意識の表れなのかも知れない。皆がやっているから、自分にだってできるはずだという考えこそ、集団意識により、少数派の都合の悪いことを考える人を握りつぶすという悪しき考えが蔓延したことで、
「民主主義の悪い部分」
が見えたのだろう。
そういう意味で、民主主義などを勉強していれば、こんな簡単な詐欺に引っかかるわけもない。もっといえば、算数が出来さえすれば、引っかかるはずもないといえるだろう。
掛け算割り算の世界である。経済学など二の次の世界である。あの時の問題は、詐欺が問題なのではなく、そんな簡単なことが、こんなにたくさんいたということで社会問題になったということだ。
ひょっとして社会問題になっていなければ、今でも、自費出版社系は生き残っていたかも知れない。
「静かなブーム」
くらいであれば、ごまかせたのかも知れないが、何しろ、ドカンといって、一気に弾けたのだ。まるで、バブル崩壊ではないか、売れすぎたり、話題に上がりすぎるのも問題だったのだろう。そういう意味で、自転車操業だったことで、うまくやらないと資金調達ができなかったはずなので、やはり、いくら地味にやっても、今も生き残っているということはないかも知れない。いずれは潰れる運命なのであろう。
しかし、ブームは繰り返すという、また同じことにならないようにしなければいけないと、草壁は思い、自分の小説は、そういう時代を風刺するものであり、その証明に科学的な意見を入れるようにしている。
「歴史の証明と、オカルト、SF系とのコラボ」
それが、草薙の小説の、モットーだったのだ。
( 完 )
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作品名:歴史の証明と、オカルト、SF系とのコラボ 作家名:森本晃次