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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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あの穏やかな ✕ 椰子の木の下

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 大男は、立ち上がった。
「ええ? 今から洞窟に行くんですかい? もう真っ暗ですぜ」
そう言いながら、三人とも獣道に消えて行った。マルコは今回は後を追うのをやめておいた。と言うのも、ある作戦を思い付いたからだった。
 マルコは森の中に生えているタロ芋を探した。それはすぐに見付けることが出来て、その根を掘り始めた。尖った石を使って、もののニ~三分でそれを掘り出すことが出来た。そして焚火に近寄り、石で芋をすりつぶして、それをグツグツ煮える鍋に入れて、森の中に戻った。
 暫く森に身を潜めて待っていると、海賊たちが戻って来た。
「ほらぁ、問題無かったじゃねえですか。兄貴は疑り深いんだからぁ」
「おめぇの言う事なんか、信用なるかってんだ!」
「ハハハハハハ、でも兄貴ぃ、また誰か流れ着く奴がいるかもしれやせんで」
「分かっとるわい! そのために見張りしとるんだろうが!」
「ま、この後も飲んじゃいますけどねぇ!」
「ガハハハハハ・・・」
三人は上機嫌で焚火を囲み、酒盛りを始めた。ついさっき奴隷を殺したことなんか忘れてしまっているようだ。マルコはその様子をやはり静かに見守った。そして三人は毒が入れられた鍋を、そうとも知らずに食べ始めた。
「おめぇの料理、いつも不味いなぁ!」
細身の男が小デブに言うと、
「そうかい? 今日のはちょっと変わった味がするけど、結構イケるぜ。なぁ兄貴」
「へっへへへへ。酒と食らわば、何でも旨いわ!」
「ギャハハハハハハ・・・」