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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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あの穏やかな ✕ 椰子の木の下

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海賊たち



 昨日堀ったタロ芋は、もう食べる気がしなかった。毒が含まれている可能性が高い。魚を捕りたかったが、釣り針を持っていない。でもその芋を試してみることにした。
 岩場の水が引くと、水溜りに生き物が取り残されることがある。そこに擦り潰した芋を流し込むと、ひょっとすると毒が効いて、魚が弱って捕まえられるかもしれない。
 昼頃には予想外の大漁になった。ある程度大きな魚やロブスターを、腹いっぱいに食べることが出来た。さらに余った魚を石で切り開き、それを干すと、強い日差しですぐに保存食まで完成した。
 腹が満たされると希望が湧く、マルコは再び密林の奥を目指すことにした。昨日作った椰子殻の草履は、一日で水分が乾燥し、軽くなって履きやすくなっていた。

 マルコは魚の干物を腰にぶら下げて、木の棒で草をかき分け、密林の奥へ進んだ。草木が生い茂り、歩きにくいのは浜辺の周辺だけで、奥に行くにつれ開けた林になってきた。マルコは鳥を追いかけたが、そのすばしっこさには敵わなかった。トカゲやネズミのような小動物は見付けられない。しかし虫は簡単に捕まえられた。クモやイモ虫を幾つか捕まえて食べた。
 そうしながら五時間も森を徘徊すると、島の反対側に出てしまった。意外に小さい島だったようだ。川や湧き水は見付けられなかった。やはり飲み水は椰子の実か、せいぜい樹液をすするしかないだろう。目の前に現れた新しい砂浜には、もっと多くの椰子の木が立っていた。
 マルコはその木に生る実を数えようと、砂浜に下りたところで気付いた。辺りにはいくつかの実が落ちているのだが、どれも穴が開いて、中身が空っぽである。急に警戒してもう一度茂みに身を隠した。そして辺りをゆっくり見渡すと、砂浜には人の足跡が付いていた。
(誰かこの島に流れ着いた者がいるようだ)
それが仲間の船員なのか、監査官や警護士たちなのか、はたまた奴隷なのかは分からなかった。マルコはそのまま夜になるのを待った。
 日が暮れると、日没と反対の方角の森の上が明るくなった。どうやらそこで焚火をしているようだ。マルコは砂浜に近い茂みを慎重に歩いた。ガサガサという音も波の音にかき消されるほど静かに移動した。やがて木々の間から明かりが見え、人の話し声が聞こえて来るようになった。
「おい、酒をもっとよこせ」
 しかし木の陰から焚火に照らされた空間を覗いて、マルコは落胆した。彼らは海賊たちだったのだ。そこには三人いる。取り囲んだ火には、肉の塊が焼け、いい匂いがこちらにも漂って来そうだった。